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ポピュリズムも内戦もなかったホンジュラスの不幸

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トランプ大統領が中米からの移民をブロックしたという話を調べている。なぜ中米からの移民が多いのか疑問に思い各国の状況を調べ始めた。そこでわかったのは国が貧しすぎて国を捨てる人がたくさん出るという悲惨な現状だった。政治指導者が一つにまとまれず国は貧しいままだ。そこにアメリカが入り込んで状況を複雑化させている。

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アメリカの介入の結果国はまとまらないままで左に揺れたり右に揺れたりしている。だがアメリカは責任を取らずにグアテマラに移民を押し付けた。今度はグアテマラを移民の待合スペースにして利用しようというのである。ひどい話である。

英語版のQuoraで面白い回答を見つけた。ホンジュラスはなぜ貧しいのかという内容である。複雑な上に長いので正確に訳せるのか自信がなかったのだがとにかく翻訳してみることにした。

スペイン統治時代に僻地だったホンジュラスは政治的リーダーにも恵まれず搾取構造が固定化した。さらにアメリカの果物会社が入り込み植民地化されてしまう。バナナ会社は1960年代に撤退しそのあとにアメリカの支援を受けて反共産スキームが入り込んだ。

他の国々は内戦に巻き込まれるのだがホンジュラスには内戦がなく反共産スキームが残った。だが、その結果は必ずしもホンジュラス人のためにはならなかったようだ。庶民は改革を諦めてしまいスキルを持っている人たちはアメリカに逃れた。残った人たちはカトリック教会に取り込まれ「これも神の運命」と受け入れてしまったそうだ。

この見方がすべて正しいのかはよくわからないのだが、実際にホンジュラスは世界一殺人が多い国なのだそうだ。2017年で1日に11名が殺されているという情報や5歳までの間に2%の子供が亡くなるという統計もある。ホンジュラスは希望から取り残された国なのである。

今回はポピュリズムの意味について考えている。ベネズエラのようにポピュリズムのせいで経済的に破綻した国もあるが、ポピュリズムさえ潰された国もあるということになる。抵抗しない国民に慈悲がもたらされることはなく搾取され続けるだけだ。この回答を受け入れればカトリック教会も庶民の味方にはならない。「諦めてくれた方が管理がしやすいのだろう」というようなことが書かれていて救いのなさを感じる。

グアテマラやホンジュラスについていくつかの回答を読んでみたのだが、アメリカ人が書いた回答に民主党・共和党対立の残像も見える。

ある人はホンジュラスにも素晴らしい社会主義政策時代があったと言っている。これが妙に民主党のバーニー・サンダースの政策と重なっている。確かに、ホンジュラスにも短い左派政権の時代があったのだが、アメリカも関与したクーデターで放逐されているそうだ。放逐された左派政権(マヌエル・セラヤ)側にも問題はあった。終身大統領を画策したりして裁判所と対立していたのだという。親米右派政権は庶民のためにならないが左派政権もやがて腐敗する。どちらにも救いがないのが中南米の現実である。

中南米は小さい国同士の争い・内戦・教育程度が高くない人たち向けのポピュリズム・左派の暴力革命・まともな状態に戻れないギャングたちなどなどありとあらゆる失敗の見本市になっている。コスタリカのような例外はあるが、突出した成功モデルがほとんどなく救いが見出せない。

ここからわかるのは常に正しい政治的立ち位置などないということである。ただ振り子のように揺れ続けるのが民主主義なのである。揺れがなくても停滞するし、揺れすぎても崩壊する。そもそも民主主義とはそんなものなのかもしれない。

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