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萩生田光一さんのプチ炎上

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萩生田光一さんが炎上(朝日新聞)した。本来なら幹事長代行と書きたいのだが発言が軽すぎるので「さん」で行きたい。

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Twitterに最初に入ってきた話は確か「ワイルドな憲法改正議論」の方だった。インターネットテレビの話らしい。そもそも「ワイルド」の意味がわからなかったのだが、まあ野党は怒ってみせるだろう。野党側の提案が取り入れられることもないだろうし、妥協も成立しそうにない。民主党系には制憲議会に参加したい人たちがいるようだが、支持者がそれを認めそうにもない。ここから萩生田さんが「情報発信」したメディアがどんなところかわかる。仲間内で強がっている姿を全世界に晒しているのである。

あまり関心がなかったのだがなぜかテレビが取り上げ始めた。最近の地上波は安倍政権の失策は絶対に伝えないので、逆に火消しに入ったんだなと思った。田崎史郎さんというのは官邸の人だと思って良い。だが、この田崎さんの様子がどこか変だった。

田崎さんは「消費税増税しないと国債一兆円ですよ」と視聴者を軽く恫喝した後で「消費税はこのまま上げるが、支援者の人たちを無視しているというわけではありませんよ」という意味の解説をしていた。ジャーナリストが勝手に国会議員の心の声を代弁したら大変なことになるはずなのだが、周囲は誰も驚かない。

八代英輝さんは官邸からの話は直接は聞いていないらしかった。探り探り何かを言っていたのだが、次第に田崎さんにシンクロして行きその範囲で話をするようになった。「忖度」とよく言うのだが、見事な集団曲芸と言えるだろう。空気を読む達人であり、そうでなければテレビのコメンテータは務まらない。さすがだなと感じた。

面白かったのはこれが昼番組だったことである。萩生田さんが直後に出てきて「田崎さんと全く同じこと」を言ったのだ。恵俊彰さんが「いやーシンクロしているみたいですねえ」と言っていた。シンクロしているのは当たり前である。多分ソースは同じなのだろう。つまり、テレビはもう「これがお芝居ですよ」ということを隠さなくなっているのである。

ここが地上波とネットテレビの違いだと思った。地上波は大人の事情がスパゲッティのように絡み合っているのだろう。瞬間芸的に話を収めてしまうのである。ジャーナリズムの体裁を取ってはいるが、事実上は官邸の広報機関である。一方ネット浜田そこまでの芸を身につけていない。いずれにせよどちらも曲芸なのだ。

しかしながら、田崎さんも八代さんも「はいはいお仕事お仕事」という感覚になっているようだった。つまり官邸のことを信じているわけではなさそうだ。サーカスで言えば別にこんな曲芸は危なくもなんともないということを隠していないということになる。ちょっとしらける。消費税増税議論について「まあ、理屈になっていない理屈で止めてますからねえ」と言っていた。なので見ていても面白くない。

このドライさは弁護士やジャーナリストといった非当事者だけが持てるドライさである。日本人は他人事として勝っている側に立っていることを示すのを好む。そして当事者たちはそれぞれの闘争に夢中になる。だから誰も問題は解決しないのだということになる。問題は視聴者も多分非当事者になって眺めているということだろう。劇場型が一転して冷ややかなムードに満ちている。

このドライな話を聞いているうちに別の感想も持った。どうやら安倍首相は消費税をあげたくないらしい。ところが財務省が安倍首相に考えさせないように話を前に進めてしまい「引っ込みがつかなく」なっているようだ。とはいえ選挙時に色々と言われているのだろう。ちょっとまずいなとは思い始めているのではないかと思う。

本来ならばデータを見たり専門家の意見を聞いたりしたほうがいいのだろうが、もうそれはできない。散々歪めてきているからである。なので言っていることが支離滅裂になっている。NHKの岩田さんのような安倍信者は減りつつあり、民法は生暖かく<検証>してみせる。選挙対策に過ぎないということは誰も隠そうとしないし、一貫した理屈がないこともお見通しだ。だから野党がそれを攻撃しても無駄なのだ。最初から誰も何も期待していないのだから。

なので、官軍がもう勝てないとなると手のひら返しが起こるだろう。すでに経済界は離反し始めている。経団連は終身雇用は継続できないと言い始めているし、同友会は平成は日本敗北の歴史と言っている。

今回の一番のポイントは、こんな中で安倍首相がもう何も決められなくなっているという点なのだろう。彼は迷い、それを部下に漏らし、部下が忖度し暴言を吐き、それを周りが収めてしまった。日本の首相は多分統治意欲を失っており、統治能力も喪失しているのだろうということになる。

今の状態はパイロットが失神していて、それをフライトアテンダントたちが話術でつないでいるような状態なのかもしれない。話術では飛行機は飛ばせない。操縦席を見に行くか座席に座り続けるのかは人それぞれなのだが、かといって操縦席でパイロットが失神しているのをみても我々には何もできない。おそらく日本という飛行機はそんな状態なのだと思う。もしそうだとしたら、多分あとは広い平原を必死で探したほうがいい。もっとも目の前が山でも避けられないのだが。

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