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トランプ大統領のFRB議長への報復に対するマーケットの反応は限定的だった

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司法省がパウエル議長に対する捜査を開始した。FRBの独立性に対する重大な挑戦とみなされたがマーケットは「トランプ大統領の脅しは実現しないだろう」と見ており反応は限定的だった。今後。、VIXが引き続き上昇し金の価格が上がり始めるならば、市場が警戒感を一段上げたとみなす必要がある。

トランプ大統領は大統領権限を拡大したいと考えており政敵を法的に脅す傾向がある。今回のパウエル議長に対する捜査もその一環とみなされている。ただ、今のところ金融市場の受け止めは限定的である。

現在のNECは「どんな手段を使ってでも」トランプ大統領の政策をFRBに押し付ける機関になっているが、かつては「アメリカの経済・金融を安定させるためのチェック&バランス機能」だと考えられてきた。このためFRB議長と旧NECの委員長たちが共同で声明を出している。

グリーンスパン氏に加え、イエレン前FRB議長、バーナンキ元FRB議長ほか、共和・民主両党の大統領によって任命された国家経済会議(NEC)委員長ら10人が署名した声明は「報じられているパウエルFRB議長に対する刑事捜査は、検察当局による攻撃を用いて独立性を損なう前例のない試みだ」とし、「脆弱な制度を持つ新興市場では、このような形で金融政策が決定され、インフレや経済機能全般に大きな悪影響をもたらしている。経済的成功の基盤である法の支配を最大の強みとする米国では、このようなやり方は通用しない」と非難した。

歴代FRB議長ら、パウエル氏捜査非難 独立性への前例なき攻撃(REUTERS)

またBloombergも今回の訴追を自殺行為だと激しく非難している。

大統領府が暴走しても機関的なバランスが保たれるであろうという市場の期待が強いことが分かる。

結果的にVIXがやや上がっただけでニューヨークの株価が大幅に崩れることはなかった。

ただし「一定の米国売り」が起きておりヨーロッパの株価や金の価格などが高騰している。これまで地政学的な緊張の逃避先だった米ドルだが、トランプ大統領の暴挙により必ずしもそうはみなされなくなっているということが分かる。

トランプ大統領はアメリカンドリーム(国民が皆豊かになれる)という物語が無効になった結果として出てきた大統領だ。彼は様々なポストアメリカンドリームの代替物語を提案しているが、結果的にどれも成功してない。結果的に「アメリカが何かを選ぶということは何かを失うことである」と証明するための大統領になりつつある。グリーンランド問題で彼が犠牲にしたのはアメリカの覇権の正当性だったが、今回彼が犠牲にしようとしているのはドル覇権だったのである。

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