FOMCは3会合連続で政策金利を0.25%に引き下げた。市場は利下げそのものは織り込んでおり「次」の利下げがどの程度行われるのかに注目が集まっていた。ダウは上がっているがNASDAQの反応は議長の発言に一喜一憂している状態のようだ。詳細は明日以降出てくるだろうが、将来の金利が高止まりすると予想する人が増えているのかもしれない。
ただ全体を見るとFRBはデータ重視というより政治的なメッセージングに終止している印象。ここから意味を読み取るのはなかなか難しそうだ。
FOMCは3会合連続で政策金利引き下げを決めたが3名の反対者が出た。これは2019年9月以来だそうだ。また来年の利下げも1度だけという予想になった。
このところトランプ大統領は強硬な利下げを求めているがパウエル議長はこの要望を聞き入れてこなかった。パウエル氏はすでに退任が決まっておりレガシーづくりの段階に入っている。
新しいFRB議長にほぼ内定しているとされるハセット氏は「トランプ大統領の圧力を跳ね返すことができず、新しいバーンズになるのではないか」と囁かれている。
トランプ政権内にもこの金融市場の反応を知っている人たちがおり「形式的にではあってもきちんと最終審査をしたほうがいいのではないか」という話になっているようだ。トランプ大統領も当初は「クリスマス頃にも次の議長を発表する」としてハセット氏が候補であることを隠しきれない様子だったが「3人に対する最終面接」を行うことにした。
バーンズ議長はニクソン大統領の言いなりだった(ニクソン大統領の再選を有利にするためにインフレ抑制に失敗したと言われている)とされるが、現在は金融市場の反応が即座に起きる。このためトランプ大統領が強い利下げを主張すればするほど、FRBが却って強硬姿勢を貫かなければならなくなると言う現象が起きている。
今回のFOMCはデータを見て判断されたものではなく「政治からの独立性アピール」だった可能性がある。データも欠損が認められるため、今回のメッセージを金融市場がどう織り込むのかは未知数と言う他ない。

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