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はじかれるべきのは小泉進次郎さんなのではないか

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小泉進次郎衆議院議員が「AIで野党の質問をはじくべきだ」と主張したと朝日新聞が伝えている。朝日新聞は自民党の驕った発言として取り上げたいのではないのだろう。確かに二世・三世議員というのは人当たりが良いように見えて時々どきっとするほど常識はずれなことを言ったりする。これもその類だ。やはり二世議員というのはできればなくすべきだなあと思う。

しかし、AIの導入というのはよいアイディアなのではないかと思った。もちろん野党の「無駄な」質問を排除することもできるのだが、AIを使えば与党の無気力な政治も浮き彫りになるだろう。

第一に考えられるのは新聞社が過去の答弁を全てAIに入力して整合性のない答弁を検知するようなシステムの構築である。膨大な答弁を整理するのは難しいがAIを使えばチェックがやりやすくなるだろう。最近Twitterでは与党の妙な答弁についてインフォグラフィックを作って指摘する手法があるようなのだが、これは本来ジャーナリストの仕事である。安倍首相が言葉の定義を巡っていつまでも循環的に答え続けるという手法を発明したために貴重な国会議論が無駄になっているので、システム構築に費用がかかるとしても民主主義にとっては価値のある投資なのではないかと思える。

もっとも、そこまで大げさではなくても文法や漢字の間違いを指摘してくれるAIは簡単に作れるだろう。すでに英語版では実用化しているので日本語でできない理由はない。AIで文法をチェックして何がわかるのだと思う方もいるかもしれないのだが、かなりの割合で「社会の一員としての誠実さ」を計測することができる。

政治家のみならず、できるだけわかる言葉で自分の主張を伝えるのはとても重要である。そのためにはみんなが受け入れ可能な常識の通じる範囲でできるだけ明確な言葉を使う必要がある。小学生に諭すような言い方をしてしまったが、これは大人にも十分当てはまる。

しかし、我が道を行くトランプ大統領は小学校の時に、正確な文法で自分の主張を伝えるということを習わなかったのかもしれない。小学校二年生の時に音楽の先生を殴ったという逸話が伝わっている。

こうした彼の社会人としての破綻は彼の書いたものをみるとよくわかる。このTweet(夜中の11時30分につぶやかれている)は文章がめちゃくちゃだ。これをGrammerlyでチェックしても公文解析ができないようで、andの所が間違っているのではないかということだけを教えてくれる。そこでつぶさに見てみると外国人が最初に習うような文法の間違いを犯していることがわかる。大学入試で弾かれてしまうような間違いである。

Big win for Republicans as Democrats cave on Shutdown. Now I want a big win for everyone, including Republicans, Democrats and DACA, but especially for our Great Military and Border Security. Should be able to get there. See you at the negotiating table!

この文章はandでeverybodyの中身を記述しているのだが、本来の英語では全てをカンマでつないで最後だけandにすべきである。構文としてはA+B+(C+D)みたいなことなのだが、アカデミックな英語ではわかりにくいのでそうは書けない。

つまり、everybody including Repblicans, Democrats, DACA, Great Military and Border Securityになる。

「特に軍隊と国境警備隊」と強調したかったのだと思うのだが、普通のパンクチュエーションではそういう書き方はできない。書くとすれば強調したいものを先に持ってきてはespecially for … as well as などにすべきではないだろうか。いずれにせよトランプ大統領の発言はこうした「俺の言っていることなんだからわかるだろう」というわがままさに溢れている。

同じようなことは麻生副総理や安倍総理にも言える。漢字の読み方がわからなかったり、言い間違いを頻発する。これも「俺の言っていることなんだからなんとか読み取れ」という傲慢さの表れだと思う。麻生副首相のようにわざと周囲をどきりとさせるようなことを言って悪ぶってみせるというのも幼稚さとわがままさの表れである。

トランプ大統領は有名になるために大統領選挙を利用したと言われている。つまり大統領になるつもりがなかったのだろう。しかし、あれよあれよという間に勝ち上がってしまいついにはファイナリストになってしまった。同じように二世以降の議員の人もおじいさんが総理大臣だというだけで今の地位にいるのかもしれない。つまり、どちらも「準備がないままで地位を得てしまった」という共通点があるのだ。

野党が執拗に同じ質問をするのは、政府・自民党が憲法の解釈を歪めたり明らかにおかしな発言を繰り返しているからなので、もともとの発言がAIで読み取れるようなきれいなものになっていれば防げるはずだ。「機械に日本語の微妙さがわかってたまるか」ということを言いたい人もいるかもしれないが、法律の成立過程に関わる答弁なのだから誰にでもわかりやすい文法で伝えるのは大切だろう。決して解釈によっていかようにでも判断できるようなものであるべきではない。

つまり、AIを使うべきなのは、誰にでもわかるような発言をすべきだからであって、気に入らない発言を排除するためであってはならないということになる。もっとも、こんなことを言っても根拠のない特権意識を持っている世襲政治家には届かないかもしれない。本来は地元の有権者がAIの代わりにこうした無責任な発言を繰り返す政治家をチェックしなければならないのだろう。

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Comments

“はじかれるべきのは小泉進次郎さんなのではないか” への2件のフィードバック

  1. M.MATSUBAのアバター

    ヨーロッパやアメリカにも世襲政治家は居ますが、先進国では日本ほど貴族化しているところは稀かもしれませんね(米国はその限りではなさそうですが)。
    英国では子が親と同じ選挙区を選ぶことは元々は禁止されていました(いずれにせよわざわざ同じ選挙区は選ばないらしいですが)し、また議員の特権も制限されており、例えば国会に出席する場合、居住地の最寄駅からロンドンまでの電車賃の実費と、議員宿舎の宿泊代(朝食込)が実費といて支払われるくらいらしく、電車乗り放題などもっての外と、あからさまな議員優遇は見られませんが、それでも文句や不満は絶えません。
    日本は政治家や役人が優遇され過ぎなのに加え世襲政治家が五万と居り、貴族化に拍車を掛けているのに、国民がそれを唯々諾々と受け入れていることが最大の問題のように感じます。

    1. 地域で話を聞いてみると「あのお家のぼっちゃん」とか「あのお家のお婿さん(つまり血が繋がっているわけではない)」とかいうことで安心する人が多いみたいです。
      もちろん特権階級という見方もあるのですが、なぜか世襲だと「安心」みたいに思って考え方をチェックしないという独特の風土も問題なんだと思います。