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一蓮托生 ― 同盟国テストの残酷さ(2/4)

6〜10分

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高市総理は当初の目的だった「安倍総理と同等の関係を築いたとアピールすること」に成功した。問題はそのコストである。この種のテストは、極めて高くつく。トランプ大統領にキャリアを依存した人の悲惨さが分かる事例がある。ヘグセス国防長官である。

ヘグセス国防長官はこのところ、「悪いやつを倒すにはいくらでも費用が必要だ」と繰り返している。当初は常軌を逸した発言にも見えたが、実際にはトランプ大統領から「シチュエーションルームに残るかどうか決めろ」と迫られていた可能性がある。トランプ大統領は聞かれもしないのに記者たちに「そう言えばこんな事があった」と自慢げに開陳しており「ああ、この人は使用人をこういう扱いにするんだ」と感じる。

ホワイトハウスで行われたトロフィー授与式のイベントで、授与式に出席するか、シチュエーションルームにとどまるかの選択肢をヘグセス長官に与えたが、同長官はシチュエーションルームに残ることを選んだと説明した。

トランプ大統領、ヘグセス国防長官は今シチュエーションルームにいる(Bloomberg)

これが、トランプ大統領を取り巻く世界の内情である。

トランプ大統領は身内と使用人を厳格に区別し、同盟国にも全幅の信頼を置かない。ネタニヤフ首相との関係も良好とは言い難いとされる。それでも同首相がトランプ大統領に影響力を持ち得るのは、「自分で決めた」と思わせる形を維持しているからだ。

ネタニヤフ氏はまた、イスラエルが米国をこの紛争に巻き込んだとの指摘を否定。「トランプ​米大統領に何をすべきか指図できると本気で思う人がいるだろうか」と述べた。

ネタニヤフ氏、ホルムズ海峡の代替ルート提唱 中東横断パイプライン(REUTERS)

一方イスラエルでは「できるだけ戦争を長引かせるべきだ」という議論が公然と行われている。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる右派政党リクード所属のエルキン氏は軍向けラジオ局の番組で、「議論の焦点は(戦争が)いつ終わるかではなく、いかにして(戦争を)長引かせ、被害を拡大していくかにあるべきだ」「軍事作戦の一日一日が、国家としてのイスラエルにとって計り知れない天恵だ」と述べた。

対イラン戦争は「計り知れない天恵」、長引かせ被害拡大するべき イスラエル安全保障内閣メンバー(AFP)

トランプ大統領のテストに「合格」は存在しない。あるのは、大量の不合格者と、暫定的に残されている者だけである。インナーサークルにとどまるためには、何かを差し出し続けるほかない。問題は、高市総理がそれをいつまで続けられるかにある。そしてそのコストは日本の国益だ。

一方で、トラウマ的な個人経験から「アメリカが戦争に巻き込まれるのを何としても防がなければならない」と考えている可能性があるのが、ギャバード国家情報長官である。現在も「イランは差し迫った脅威である」との断定を避けている。

このギャバード国家情報長官が、思わぬ形で日本の命運を左右する存在になりつつある。


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