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トランプ大統領はなぜ「事態収拾」できないのかを父母から探る(2/4)

7〜11分

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次に、トランプ大統領はなぜ事態収拾ができないのか、そしてトランプ大統領は破綻しているのか、というテーマについて考える。あわせて、ドナルド・トランプという人物はどのように育ったのかを見ていく。

最初の大胆な仮説は「人は幼少期の体験を雛形にして、その後の社会的資質を形成する」というものだが、通常の報道は「国家指導者」の心理的影響を考察しない。なぜならば、国家は機関的に制御されるべきであり、個人の資質で動くべきものではないからだ。つまり、心理的要因に着目せざるを得ないということは、それだけ「国家」が構造的に弱っていることを示唆している。

既存メディアはこの仮説をそのまま扱うことはできない。

トランプ大統領は抑圧的な父親のもとで育った。父親はファミリービジネスを愛する人物で、後継者であることを拒否したトランプ氏の兄は、父親から絶対的な拒絶を受けている。トランプ大統領の「身内と外を徹底的に分ける」性格が父親から大きな影響を受けていると考えるのは、それほど難しくない。

一方で母親の影響はあまり語られない。ドナルド・トランプ氏の幼少期、母親は病気療養をしていたとされる。「世界で最も危険な男」という著作もある心理学者メアリー・L・トランプ氏などは、母親の不在の埋め合わせが絶え間ない称賛を求める欲求を植え付けたのではないかと考えている。さらに母親はセレブ的な生活に強い憧れを持っていたとされる。このため、豊かな生活を保証してくれる父親には従順だった一方で、自身も派手好みだった。

ここで注目すべきなのは、トランプ大統領の平和に対する考え方と母親の奇妙な一致点である。トランプ氏の考える「金ピカ」な平和は、彼が本当に「それこそが平和のあるべき姿だ」と考えている証左なのかもしれない。同時にそれは、本来母親が与えてくれるべき「自己承認」の姿でもある。

これは一般の人々が考える「父親・母親」像とはあまりにもかけ離れているため「欠落なのではないか」と考えがちである。しかし、おそらくトランプ氏にとっては「当たり前の家族の姿」であり、欠落ではない。

それを埋め合わせるために登場するのが、大統領首席補佐官のスージー・ワイルズ氏である。バニティ・フェアのインタビューによれば、彼女はアルコール依存の父親を経験しているとされる。父親に承認や保証を求めると自身が破綻するため、「一定の距離を保ち、過度に自己主張せずに家庭を管理する」というスキルを身につけたものと考えられる。つまり、トランプ大統領をあやしたいのであれば、「自分が息子や娘になってはいけない」ということだ。かといって、上から規範を押し付けてもいけない。

スージー・ワイルズ氏は「外から適切なアドバイスを与え、トランプ大統領を否定せず、なおかつ事態を収拾する」人物。逆に、それさえできていれば、「トランプ大統領の性格に対してネガティブなことを言う」こと自体は問題にならない。

何らかの利益代表でない点も重要になりそうだが、これはネタニヤフ首相の存在によって棄却される。つまり、トランプ大統領は「承認さえ与えれば、その背景にある利益」にはさほど関心を持たない。唯一重要なのは、「自分の利害を決してトランプ氏の空間に持ち込まないこと」である。


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