9,200人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

国民が政府を支える体制の弱いアメリカ合衆国は、「社会的な脆弱性」を抱えている。これを補うことを期待されたトランプ大統領の政策は、かえってアメリカ社会を混乱させている。つまり今のアメリカ合衆国を支配するのはアメリカ合衆国の強さではなく弱さである。そしてその弱さが外国のあからさまな介入を招いている。

トランプ大統領は、イランの小学校が破壊された原因はイラン側にあると主張した。しかし報道各社が「写真に映り込んでいるトマホークミサイルを保有しているのはアメリカ合衆国だけだ」と見抜くと、「自分は十分な情報を得ていないだけだ」と開き直っている。

またヘグセス国防長官の発言も信頼性に欠ける。トランプ大統領が「戦争はまもなく終わる」と述べているにもかかわらず、3月10日に大規模攻撃を行うと発表した。しかし最終責任を引き受けることはなく、「戦争がいつ終わるかを決めるのはトランプ大統領だけである」と述べている。

ルビオ国務長官とバンス副大統領の発言について扱ったニュースは少なく、彼らが「戦争の正当化」や「収束」に向けて積極的に動いているとは言い難い。

このようにホワイトハウス全体はパニック状態に陥っており、その起点は中間選挙の立て直しとその失敗にあった。なぜ立て直す必要があったかと言えばそもそも経済政策がうまく行っていないからだ。

スタッフ体制が弱体化するなかで、トランプ大統領が頼っているのが二人の外国首脳である。ネタニヤフ首相は「今ハメネイ師を叩けばイラン体制は崩壊し、トランプ大統領は歴史に名前を残せる」と持ちかけた。CNNは小規模戦力の逐次投入では濃縮ウランは見つけられないだろうと指摘しているがネタニヤフ首相は「濃縮ウランさえ見つかれば軍事攻撃は正当化できる」と囁き続けている。

戦争を始めたのがネタニヤフ首相だとすれば、「戦争を終わらせる建設的なアイデア」を持ち込んだのがプーチン大統領である。トランプ大統領は、プーチン大統領から建設的なアイデアを受け取ったと嬉しそうに発表し、ロシアに対する石油制裁の解除を示唆している。

冷静に状況を俯瞰すると、ネタニヤフ首相もプーチン大統領もトランプ大統領が主体的に引き起こす混乱が長引けば長引くほど利益を得る立場にある。しかし表面的には協力者として振る舞っている。

トランプ大統領は、郵便投票の禁止とID提示を柱としたSAVEアメリカ法を導入しても選挙結果が思わしくなければ、「中国の介入」を理由に選挙を無効化する可能性があるとも指摘されている。外国勢力の介入を疑っているのだろう。しかし一方で、自身の意思決定はあからさまにネタニヤフ首相とプーチン大統領の影響を受けている。

この過程で「一体何が正しいのか」という問題は溶解し、外国の介入に対する脆弱性だけが露呈している。それが現在のアメリカ合衆国の姿である。


本稿は「【特集】アメリカとイラン どちらが悪いのか」の一パートになっています。全体はこちらから。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です