9,200人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


焦りを募らせるアメリカ合衆国

5〜8分

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください

中間層の没落と格差の拡大。いわゆるK字経済化がアメリカを苦しめている。中間層の没落は、そのまま国力の停滞につながる。結果としてアメリカ合衆国は競争力のある製造業を失い、台頭する中国に怯えるようになった。世界で最も強い国であるはずのアメリカが今「怯え」を抱えていると指摘してもにわかに信じられないという人が多いのではないか。

バイデン大統領はサプライチェーンを強化し、中国に対抗できる体制を整えようとした。しかし中間層の十分な理解を得ることはできなかった。その不満を背景に勝ち上がったのが第二期トランプ政権である。しかしそのトランプ政権も、バイデン政権の路線を大きく修正することはできなかった。そもそも構造的な分析が行われていない可能性が高い。

結果としてトランプ政権は、内側に「移民」という敵を作る。しかしこれは社会不安を引き起こし、アメリカ市民に犠牲者が出たことで方針転換を余儀なくされる。そこで「それならばアメリカ人がいない場所で騒ぎを起こせばいい」と考えたのが、対イラン軍事攻撃だった。

しかしこの攻撃も、「国際法の壁」と「国内経済の混乱」を引き起こしている。本来であれば直ちに大統領を支持すべきバンス副大統領はしばらく沈黙し、ルビオ国務長官も戦争目的を十分に正当化できていない。またアメリカ合衆国では株価が下落し、ガソリン価格の上昇も始まっている。

トランプ大統領は共和党議員たちを私邸に集め、郵便投票とID提示の義務化を含むSAVEアメリカ法を成立させなければ、他の政策には一切協力しないと呼びかけた。このままでは選挙に敗北するという強い危機感があり、自身の経済政策だけでは支持率の回復が望めないと考えていることも分かる。

つまりアメリカでは、国民の協力が得られない中で敵を作って叩く政策が次々と破綻し、それがかえってアメリカ市民の離反を招くというスパイラル構造が生まれている。

言い換えれば、「軍事力と経済に対する影響力は強い」が「持続可能性は弱い」という構造であり、動けば動くほど弱さが露呈していく現象が起きている。ここから見えてくるのは、本当に問うべきなのは「正しさ」ではなく「強さ」であるという点である。


本稿は「【特集】アメリカとイラン どちらが悪いのか」の一パートになっています。全体はこちらから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です