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サウジアラビアがアメリカのイラン攻撃容認を示唆

6〜9分

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Axiosが「サウジアラビアの国防大臣(=皇太子の弟)がアメリカのイラン攻撃を示唆した」とする独占記事を出した。アメリカ合衆国が攻撃を止める理由が1つなくなり危機が近づいたかに見えたのだが、実はサウジアラビアの巧みな交渉戦術だった可能性がある。イランが交渉の枠組み準備に向けて動き出したそうだ。

こうした状況変化を逐一SNSで公開するジャーナリストもいて、SNSはさしずめ現在のコーヒーハウスだなと感じる。

かつて人々は当時珍しかった異国の飲み物であるコーヒーを提供するロンドンのコーヒーハウスに集まり貿易に関する情報を交換していた。根拠のない噂話も多かったようだが、新聞や保険といったサービスもコーヒーハウスから誕生している。SNSはNISAによる海外投資が当たり前になった現在版コーヒーハウスといえるだろう。

Aixosのバラク・ラビド記者が「サウジアラビアの国防大臣がアメリカのイラン攻撃を容認した」とSNS投稿した。程なくそれは記事になった。

サウジアラビアは長い間アメリカのイラン攻撃に否定的な考えを示していたが、どうせ止めてもトランプ大統領は攻撃するだろうから被害を最小限に抑えなければならないと語ったという内容だった。

興味深いことにこの会合はユダヤ人組織の代表者たちとのものだった。かつて宿敵とされたイスラエルとサウジアラビアだが会合を持った事自体はもはや秘密ではないようだ。現代的な驚きがある。

イランという共通の敵の前ではイスラエルとサウジアラビアは利害が一致する利害関係者。サウジアラビアとUAEの関係もイランによって支えられている。つまり中東の危うい均衡はイランという共通の敵を扇の要にして形成されているのだ。

この記事だけを見ると「いよいよアメリカ合衆国がイランを攻撃するのか?」と思えるのだが、実はそうならなかった。地政学リスクを反映するとされる金の価格は下落したまま。原油価格も思ったほど上がっていない。

イランはアメリカがイランを攻撃すれば報復にイスラエルを攻撃するぞと宣言した。

ところが程なくしてバラク・ラビド記者から新しい報告が入った。最高国家安全保障会議のアリ・ラリジャニ議長が「交渉の基盤を整えつつある」というのである。

つまり、今回の一連の報道はデモを沈静化させ一定の落ち着きを取り戻しつつあるイランをアメリカ合衆国との交渉のテーブルにつかせるためのものだった可能性が出てきたということになる。

投資家にとって中東情勢分析は非常に重要だ。これまでは一部のプロに資産を預けていればよかったがNISAの登場によって一般人も世界情勢に注目する必要が出てきた。REUTERSやBloombergも兆候が出れば伝えるのだろうが、報道未満の重要情報も多い。しかしそもそもAxiosのような新興メディアはSNSを活用しており、これが一種外交ツールのように用いられているという現実がある。

つまりSNSをモニターしていればある程度誰でも簡単に情報が取れる時代が来たということになる。

いずれにせよ中東情勢は、アメリカ合衆国の中間選挙を睨みながら緊迫した状況が続いている。引き続き注視する必要がありそうだ。

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