おそらく、食料品の消費税減税は起こらない。金の価格が高騰しているからだ。突拍子もない推理に見えるがAIで分析しても破綻が出てこない。そして現在の衆議院選挙キャンペーンではわかっていてできないことが語れていない人と本当にわかっていない人がいる。
今、静かに金の高騰が起きている。
地政学的不確実性が増していると言われているがその不確実性はほぼ全てアメリカ合衆国発の不確実性だ。アメリカ合衆国の政治は制御不能になりかけておりアメリカの財政当局は金利の抑制に躍起になっている可能性が高い。ここでFRB議長がトランプ大統領に抵抗しない人物になるとドルの価値はいよいよ下がることになるだろう。とはいえアメリカは基軸通貨国なのでボヤの状態が長引く。普通の国のように信用が崩壊しない。
このためVIXは低い状態が続いており株式市場は多幸状態にある。この状況はかなり不自然なので財政当局の何らかの作為が加わっていると考えることもできる。
エコノミストは「アメリカの協調で何らかの介入・口先介入が行われたのだから、今後アメリカは何らかの要求を突きつけてくるのではないか」と予想している。末廣徹氏は日本の長期金利を意識している可能性は低く、後で防衛費問題などを突きつけてくるのではないかと言っている。更にアルゼンチンの状況を参照しベッセント財務長官は自民党を支援したのではないかとしている。
日銀は今回介入を行わなかったようだ。にも関わらず劇的に円が高騰しているのだからアメリカが何らかの手を打った可能性が高い。となると自分たちの通貨の価値を下げてまで守りたかったものがあるという可能性が出てくる。だからエコノミストは「貸しを作ったのだろう」と推理している。
しかし、そもそも日本の長期金利が上がれば、円キャリートレードのバックグラウンドが失われ、なおかつ世界同時多発的な債券価格の下落が米国債を直撃しかねない。つまり「貸し」ではなく、アメリカがなりふり構わぬ米国債防衛策に転じている可能性もそれなりに高い。ただしプロのエコノミストはなかなかそこまで踏み込んだ発言はできない。一方で防衛費の増額が必要になれば減税どころか巨額増税が必要になるだろう。
少なくとも論理的には、日本政府は今後一切金利上昇につながるような政策を講じられないだろうということになる。つまり、日本政府は消費税減税のような財政拡張政策は打ち出せない。そして片山さつき財務大臣はおそらく何が起きたのかを正確に把握していて(彼女だけが実際に財務省・日銀が何をやって何をやらなかったのかを知っている)当然、高市総理にも伝えているはずである。ここから高市・片山ラインはアメリカがどの程度危ない状況にあるのかの程度を把握できている可能性が高い。
高市総理はおそらく状況がわかっており、消費税減税が実現するかは「国民会議次第である」と発言を修正している。つまりどうせまとまらないから消費税減税は行われないだろうが、それは「私(高市早苗)のせいではない」といいたいのだ。
これにいち早く気がついたのが大蔵官僚出身の玉木雄一郎国民民主党代表だった。今後(つまり高市後)を見据えて、高市総理から距離を取りつつ高市総理が総理大臣と自民党総裁の2つの立場を統合できなくなっていると主張する。
- 総理大臣としては「2026年の年度内の実施を目指す」
- 自民党総裁としては「検討を加速する」
どうせ消費税減税など起こらないのであれば無理な制度論に加担する必要はない。だから財源を気にせずにべき論だけを語っていればいい。
一方でわかっていない人たちも明らかになる。玉木雄一郎氏は15兆円の財源が必要と主張する維新の藤田共同代表はおそらく事態に気がついていない。さらに野田佳彦中道改革連合共同代表もおそらく蚊帳の外に置かれている。政治家としてはその程度の人ということになる。
結果的に本来行われるべき、経済成長ができるかできないか、できないなら日本はこの先どう対応するべきかという議論は行われない。700億とも800億とも呼ばれる多額の国費を浪費しつつ消費税のテクニカルな議論だけが語られる。議論に参加する人たちの一部は「どっちみち減税などできない」と知っている可能性が高い。
ただし国民にはこうした現実は伝わらない。仮に議論がまとまらなければどの政党も「消費税減税をやると言っていたのになぜやらないのか?」という話になるはずだ。

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