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ミネアポリスの銃撃事件が政府閉鎖に発展のおそれ

7〜10分

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ミネアポリスではICEとミシガン州・ミネアポリス市が激しく衝突している。この衝突は民主党の反発を招き連邦政府閉鎖に発展する可能性が出てきた。一般教書演説が延期されると中間選挙のキックオフが遅れトランプ大統領が更に予想外の行動に出る可能性が高まる。またアメリカ合衆国では大寒波が予想されている。連邦政府が閉鎖されると災害派遣が遅れ人為的な大惨事が起きる可能性も否定できない。

ミネアポリスのICE派遣はトランプ大統領の選挙キャンペーンの意味合いが強かった。特定民族集団を迫害することで「普通のアメリカ人」や「他人の不幸を見て安心したい人たち」が支持してくれるという目論見があるのだろう。このためにミネソタ州(ミネアポリス)、ミシガン州、メイン州、イリノイ州(シカゴ)などの民主党州がターゲットに選ばれている。共和党州で騒ぎを起こして自分たちの票を減らしたくないのでそもそも票にならない地域を選んで襲撃しているのである。

華氏マイナス40度(摂氏マイナス40度)という命に関わる冷たい気候にも関わらず抗議運動が激化。そんな中37歳で3人の子供の母親であるルネ・グッドさんが殺害された。さらにプリスクール帰りの子供が囮として利用されておりミネソタ州の抗議運動は激しさを増していた。そんな中今度は退役軍人省のICU看護師であるアレックス・プレティさん(37歳)が殺害された。

プレティさんがなぜ殺されたのかはよくわかっていないがパム・ボンディ司法長官は彼はテロリストだと宣言している。銃所持のライセンスを持った「普通の市民」が過激化した可能性は否定できないが、表向き統率が取れていたICEなどの執行当局が地元の反発にあい過激な自己防衛に走り「地金」が表出した可能性もまた否定されるものではない。

CNNによるとプレティさんは殺される前に銃を取り上げられていたようだ。多くの監視映像が集まる中「真実が確定できない」のが今のアメリカ社会の恐ろしいところだ。原因を作ったのは「1月6日の議会襲撃は愛国的で穏健な抗議活動であり、暴力活動はペロシ議長の扇動である」と歴史改竄をしたトランプ大統領だろう。アメリカ合衆国にはもはや「共通の歴史認識」もそれを調停してくれる存在もない。

ミネソタ州知事は独自調査を行い「連邦政府の嘘を暴く」と言っている。こうした分断はすでに第一期トランプ政権で起きており、ポートランドやシアトルでの抗議運動につながった。これは安定した国家の中で局所的に継続的に起きる低温度の内戦と言って良い状況だろう。国家分断の慢性病化である。

しかしながら事態はこれだけでは終わりそうにない。議会民主党が一切話し合いに応じない姿勢を見せており1月末に議会が閉鎖される可能性が出てきた。仮に議会が閉鎖され2月末に予定されている一般教書演説が延期されるとトランプ大統領が更に攻撃を過激化させる可能性がある。トランプ大統領は一般教書演説を中間選挙のキックオフと位置づけておりここをピークに過激化傾向を強めていたからである。

さながら政治的パーフェクトストームの予感だが、アメリカ合衆国では南部テキサス州まで広がる厳しい冬の嵐に見舞われている。テキサス州では2021年に大勢の死者が出ており万全の準備を進めているがそれでも今回の寒波で数名の死者が確認されているようだ。仮に連邦政府が閉鎖されFEMAが活動できない中で激しい冬の嵐に見舞われば、これは気象災害ではなく人災と指摘されることになるだろう。

統一された物語も調停する存在もない国家の悲惨さが見えてくる。

本来ならばこうした状況に人々が目を覚まし「ああ、これではいけない」となるべきなのだろうが、今のアメリカ合衆国では問題を認めたほうが負けというゲームが繰り広げられている。低温度の内戦が慢性疾患とすれば、高温度内戦=普通の内戦は急性疾患のようなものである。もちろんテールリスクではあるものの慢性病がいつ急性疾患化してもおかしくない状況が今まさに生まれつつある。

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