ミネソタ州ミネアポリスで発砲事件が起き37歳のアメリカ人男性が死亡した。恐れていた事態が起きたと感じる。トランプ政権第一期目で起きていた「低強度内戦」が再発した。バイデン政権下で収まっていた症状だが実は根本治癒していなかった。
現在この事件は各社がライブアップデートを行っている。
- 37-year-old man shot dead by a federal agent in Minneapolis sparking further protests(BBC)
- Minnesota officials at odds with DHS over account of Minneapolis man fatally shot by Border Patrol agent(CNN)
- Minneapolis ICE shooting live updates: Man killed in shooting involving federal agents(ABC)
しかしアップデートをみてもなぜこのタイミングで人が死に何が理由だったのかは全くわからない。捜査当局と地元警察・州・市の発言が全く折り合っていない。捜査当局は「武装した人が攻撃を仕掛けてきた」と言っているが、地元警察・州・市はICEがやりすぎていると主張。州・市は捜査の主導権は地元が持つべきだと主張するが、スティーブン・ミラー氏は「民主党はテロリストの側に立っている」と騒ぎ立てている。つまり銃撃された人はテロリストであり殺されて当然だったと言っているのだ。
2つの可能性がある。
- これまで犯罪歴がなかった白人男性が義憤にかられてICEに対する攻撃を仕掛けた。スティブン・ミラー氏の言うテロリスト説。
- そもそも訓練ができていないICEが地元の反感を恐れて過剰な防衛を繰り返し死者が増えている。
こうした2つの可能性を提示されると我々はついつい「どちらが正解なのか」を選びたくなる。しかしながら実際にどちらが正解なのかを判断することはできないだろう。
トランプ大統領は1月6日の議会襲撃事件を「平和な抗議活動だった」と主張し、暴徒はすべてペロシ下院議長(当時)が仕掛けたものだと主張している。確かに国家権力はフィクションにすぎないかもしれないが、それを国民が信じているという意味では「意味のあるフィクション」である。トランプ大統領はそれをわずか1年で破壊した。
人々が信じられる物語を失い闘争を繰り返すようになると、これは内戦と呼ばれる。これをChatGPTで検証したところ「内戦は内戦だが低強度内戦と呼ばれる新しい現象だ」とのチェックが入った。「low-intensity civil conflict(低強度内戦)」や「epistemic civil war(認識論的内戦)」と呼ばれるそうだ。
こうした低い強度の内戦は社会制度や経済は動いているのに人々が同じ物語を信じられなくなったときに起きる。原因はおそらくトランプ大統領が作っている。ただし国家レベルの内戦には発展していない。これを希望と取るか絶望と取るかは人によって意見が分かれるのではないか。
こうした状況は第一期トランプ政権ですでに起きていた。きっかけになったのはジョージ・フロイド事件だ。結果的にポートランドとシアトルで混乱状況が生じた。バイデン政権はこれを抑え込んできたが結局根本治癒はできなかったようだ。そして結局第二期トランプ政権になり再発した。
これは薬で抑え込んできた慢性疾患が再発したのに似ている。再発した慢性疾患をこれまでのような弱い薬で抑えることはできないだろう。体がしんどい状態が長引くだけならまだいいが、急性転移(=本物の内戦化)する可能性も否定できない。医師に当たる人はいないので治療も行われないし、そもそも何%が悪性化するのかという知見もない。

コメントを残す