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【金利高騰】 戦略なき高市総理がアベノミクスを終焉させた

11〜17分

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高市総理に期待されているのは突破力だそうだ。その期待に応えて高市総理がアベノミクスの息の根を止めた。現役世代の中には「日本は終わる終わると言われているんだから早く誰かが公式に終わらせてほしい」と考えている人もいるかも知れない。望みがかなおうとしているが、その「御聖断」の結果は金利の大幅上昇かもしれない。

きっかけは高市総理が解散を検討しているという読売新聞の報道だった。これを受けて立憲民主党と公明党が「食料品消費税ゼロ」を掲げる。高市総理が前のめりでこれに追従した。自民党の中には慎重な表現を求める人が多かったが高市総理は振り切ってしまう。

自民は昨年7月の参院選で「どんなことがあっても消費税率引き下げは公約しない」と強調。維新との連立政権合意書でも「消費減税を視野に法制化を検討」との表現にとどめた。小野寺五典税制調査会長は会見に先立って「連立合意の内容をなぞるように」と官邸にくぎを刺していた。

高市首相「消費減税」発言が波紋 連立合意逸脱、自民にいら立ち【26衆院選】(時事通信)

ここで財政悪化懸念が生じて長期金利が上がり始めた。

ところがこれとは別のところで別のドラマが進行していた。グリーンランドの米国編入を求めるトランプ大統領がヨーロッパの国に関税をかけると恫喝。ここで少し株価がネガティブに反応した。さらに最高裁判所の関税判断が無期延期されたことで市場に落胆が広がる。この時点で「ダボスで何か不規則発言が出るのではないか?」と警戒されVIXが跳ね上がった。

株式市場が下落したのはトランプ大統領のせいではないと主張したいベッセント財務長官は日本を持ち出して「日本の国債市場が荒れている、これは炭鉱のカナリアである」と訴えた。株価が下がったのは複数の要因の組み合わせでありトランプ大統領のせいとばかりは言い切れないというのだ。

さらに「ほら日本をみてごらんなさい、あんなに悲惨な状態じゃないか」と言い出す人も出てきた。これはトランプ大統領に「問題を放置すれば日本のようになりますよ」と警告する意味合いがあるものと考えられる。ドイツの新聞も高市総理をトラス首相と比べている。多くの国が自国の政治家に警告を発するために日本を利用し始めているのだ。

しかし市場関係者は「各国の政治家は日本を利用している」とは思わないかもしれない。世界の要人が「シックスシグマなどという難しい用語を使って日本市場の悲惨さを警告している」と判断しかねない。いわゆる「日本はもう終わりだ」という風評被害が広がる懸念が生じているのだ。

トランプ大統領が「グリーンランドに武力を用いない」と発言したことでニューヨークの株式市場は落ち着きを取り戻した。しかし日本の国債市場がこれで安定するわけではない。普通の国に戻りつつある中で、説明責任を果たしてゆくことが求められる。

フランスのENA(フランス国立行政学院)を修了した片山さつき財務大臣はこうした状況になれている。このため日本は炭鉱のカナリアではないと即座に玉を打ち返してている。つまり財務大臣としての仕事を行った。

高市早苗総理は安全保障で「日本は普通の国になる」と宣言したそうだが、実際には国際金融でも普通の国になりつつある。

今後は「普通の国」として国際金融市場に対して説明責任を果たしてゆくことが求められるようになるだろう。そこで必要になるのは西洋流の打ち返しだ。片山さつき氏のようにそれができる人はいるがごく少数だ。

しかしながら日本の政治にはいまだ「普通の国として国際金融市場から監視される側に回った」と意識改革していない。

例えば維新の藤田共同代表は「消費税減税の原資は成長と政府のスリム化である」と主張している。大阪のワイドショーで主婦相手になら通用する議論だがBloombergに「与党幹部の発言」として伝えられている。この人は荷物をまとめてさっさと大阪に帰るべきだろう。

高市総理も党内をまとめきれておらず「国民会議で財源を議論する」と主張するばかり。戦略も見識もないまま明るい笑顔とスピーチ力だけで総理大臣に上り詰めてしまった政治家の悲劇と言って良い。もちろん野党は「国債ショック」を高市総理の責任とし自分たちは財源論には関わらないだろう。

首相は消費税減税の検討を超党派の「国民会議」で行うと説明した。衆院選後に速やかに初会合を開く青写真を描くが、野党は冷ややかだ。立憲民主党の安住淳幹事長は20日、記者団に「消費税解散だ」と述べ、減税の「中身」を争点とする考えを表明。国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「マーケットに悪影響を与えた」と突き放した。

高市首相「消費減税」発言が波紋 連立合意逸脱、自民にいら立ち【26衆院選】(時事通信)

高市総理がアベノミクスを終了させたと書いたが「そんな実感はない」と考える人がほとんどではないだろうか。それは国内のニュースしか見ていないからである。

いらだちを示すように日経新聞は社説で「与野党の消費税減税ポピュリズム」を批判している。

結果的に高市総理は重たい「財源」という石を抱かされて鎮められることを覚悟で「自民党が責任を取れるように皆さんの力で押し上げててください」と選挙戦を戦うことになる。そして「きっと高市総理にはなにか立派なお考えがあるのだろう(何かはしらないが)」と考える有権者たちはそれに惹きつけられることになる。

これこそが政界残酷物語であるが、その残酷さにすべての国民が巻き込まれようとしている。

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