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【悲惨会見】戦略も定見もないまま総理大臣になった高市早苗さんの悲劇

8〜12分

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実に悲惨な解散表明だなと思った。勢いで解散を表明したものの具体策はまるでなかった。これで総理大臣を選べと言われても有権者は戸惑うばかりだろう。しかもその悲惨さが露呈するのは自民党が選挙で勝ってからになりそうである。選挙の間は夢を語っていればいいが、議席が確定した瞬間にではどうするかを語る必要が出てくる。

高市総理は、そもそもなぜ今なぜ解散をするのかについて全く説明できなかったがこれは問題にならない。有権者は「どうせ自己都合解散だろう」と見抜いており、そもそも最初から期待などしていない。

問題は中身のなさである。単に中身がないだけなら良いのだがその背景が全て透けてしまっている。「もう少し隠すのではないか」とか「勢いで誤魔化してくれるのではないか」と期待していたので「ああそれもできないのか」と思った。事態はかなり深刻なようだ。

今回の会見の評価は「積極財政主義」を押し出すのか、あるいは「財政均衡」の滲んだ会見になるのかで決めようと思っていた。つまり経済産業省用語が出てくるか財務省用語が多用されるのかという違いだ。そのどちらも出てこなかった上にトーンにも覇気がないことにびっくりした。

高市総理の悲惨で覇気のない会見の背景にあるのはいくつかの壁だろう。

  • まず城内実氏を中心としたチームが「積極財政が成長につながる」ロジックを提示できなかった。だから積極財施の中身が表明できなかった。このため単年度主義の話をして誤魔化している。
  • 中道改革連合の「降って湧いたような」消費税減税に対抗できるロジックを提示できなかった。財源も提示できず「国民会議」に丸投げした。
  • 争点を消すために自民党も消費税減税を検討というリーク記事を出したが、金融市場が先に反応してしまい長期金利が高騰した。

選挙報道が出てから可視化された高市早苗総理の実情はこんな感じになる。

高市総理はAIで解析できる程度のスピーチ術は持っている。しかし理解が表面的なため「具体策」を検討する段階になると行き詰る。うまく行かなくなると独断専行で交渉を行い誰かを怒らせる。結果的に有能な人や応援してくれた人がどんどん周りから離れていってしまい「限られた人」しか高市総理と話ができなくなる。

こうして高市総理はどんどん孤立していってしまっている。

日経新聞はこの定見のなさを消費税減税、首相発言が一転 「即効性ない」→「悲願」と積極姿勢にでまとめている。確かに消費税減税は自分の考えだったかもしれないが「党内をまとめられなかったんですよね、高市さん」と言っている。

  • 自民党の公約は消費税減税の案の実現であり、消費税減税そのものではない
  • しかし、2025年10月に日本維新の会との連立合意に書いてあったと強調。私自身の悲願でもあったと主張。
  • 実現できなかったのは自民党の中で意見が別れていたからだと説明。
  • 構想は「国民会議」で議論するが、結論によっては円や国債が売られる(長期金利が上がる)リスクがある。

その後日経新聞は総理大臣就任後に高市総理が消費税減税について否定的な立場を取っていたと延々と書いているが、おそらく高市総理が総理大臣になり片山さつき財務大臣と一緒に財政の実情に触れたからだろう。彼女たちは安倍政権の主要メンバーとして自分たちが何をしでかしたのかを理解したのだ。

選挙のことを考えると消費税減税を掲げる「中道」のほうが有利になる。これを争点化させないために財務省に「消費税を減税できるロジック」を考えさせたかったのかもしれないが、数日で財務省が大転換ロジックを考えることはできない。さらに「エビデンス」として「自民党が消費税減税を掲げる」という示唆報道が出た時点で長期金利が2.2%に上昇した。10年後に政府の支払金利が2024年度の3倍に近づくとの試算があるそうだ。

しかしながら、多くの国民がこの行き詰まりを理解することはないだろう。これが高市総理にとっての最大の悲劇だ。そもそも国民は「これまで通りに普通に生活していれば後は政治がなんとかしてくれるはず」と信じたがっている。だからこそ高市総理のAIで模倣できる程度のスピーチに支持率が上昇する。

高市総理もおそらくそれがわかったうえで「責任」を引き受け後戻りができないアベノミクスの清算人」としての重責を自ら担おうとしている。つまり、彼女の悲劇は自民党が負けることではない。嘘を信じたがっている国民に信任され勝ってしまうことなのだ。

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