高市総理が電撃解散を選択し勝利することが予想されているが、同時に高市自民党の崩壊が始まった。
ただ普通の人は「勝てば官軍=勝利したのだから何でもできるようになるのでは?」と考え「この分析は悔し紛れなのではないか」と感じるのではないか。
今回の解散総選挙の内側がわかってきた。決定打になったのは新潮のレポートだ。推進したのは今井尚哉内閣官房参与だった。経産省の出身で安倍政権でも活躍した。
「官邸内でも、事前に解散情報に接することができたのはごく限られた人間でした。今井氏と、彼の経産省の後輩である佐伯(さいき)耕三内閣広報官(50)。ほかには、首相執務室への出入りが許されている木原稔官房長官(56)と飯田祐二秘書官(62)くらい。二人の官房副長官も蚊帳の外でした」
「高市電撃解散」に麻生副総裁が激怒! 高額献金疑惑から目をそらせるか
その今井氏らが読売新聞にリークし既成事実を作った。いかにも官僚経験者らしいやり方である。ところがこのときに党内調整を担う麻生・鈴木ラインを外した。更に萩生田光一幹事長代行も外されている。
党内外に根回しをせぬまま読売に情報をリークし、解散への流れを既成事実化する動きには、ネット番組で“解散は来年の総裁選前に行うべき“との考えを示したばかりの萩生田光一幹事長代行(62)に加え、温厚な人柄で知られる鈴木俊一幹事長(72)からも強い反発が起きた。とりわけ幹事長は本来、選挙を取り仕切る立場にあるだけに、鈴木幹事長の慌てぶりは相当なものだったようだ。
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つまり今回の解散劇は「財務省派」と「経済産業省派」の内部抗争だったということが分かる。今後城内実氏に代表される財政拡張派の意見が強くなってゆくことが予想され、株が上がり円が下がった。
すでに高市早苗氏の独断専行は公明党を離反させている。その公明党は参議院は残しつつ衆議院・小選挙区から撤退し立憲民主党と組ことが決まりそうだ。
高市氏はすでに公明党に離反されている。また維新との連携で党内の「守旧派」との間に軋轢を抱えている。さらに大阪では選挙区調整も行わないので(鈴木幹事長はもはや調整はしないだろう)大阪の自民党府連とも敵対することになる。
麻生・鈴木ラインを怒らせたことで玉木雄一郎氏が自民党に協力することが難しくなった。おそらく玉木雄一郎氏は次を見据えて自民党の有力者と諍いを起こしたくないはずだ。
ところが話はここで終わらない。実は保守の中に「保険をかける」動きがある。日本版MAGAである保守派論客は自分たちの支援者に「日本ファースト」を売り込まなければならないのだが、明らかに今の動きは「経産省ファースト」である。このため「自民党の中には倒すべきリベラルがいるぞ!」と言い換えて、比例で自民党を推すなと言う動きが出ている。単なる熱狂ではなく意外と計算しながら動きている。
となると消極的支援者として残るのは高市総理の突破力に期待する生活者ということになる。
しかしながら、今回の解散により経産省が勝つと(勝つのは自民党ではない)国民生活の安定よりも省益が優先されることになる。すると株高・金利高・円安が進む。すでに長期金利は心理的抵抗線である2%を超えて上がり続けている。
経済アナリストたちはもはや高市総理の味方はしないだろう。すでに金融界では今井尚哉氏の名前が出ており「優先順位」はかなり明確に理解されている。株式市場を仔細に検討してみると分かるが今回内需依存株の価格が上がっていない。つまり経産省は国内市場を犠牲にして省益を守るであろうということが意識されているのである。
こうなると円安インフレが進行したときに高市政権を味方してくれるアナリストはいないことになる。次第に生活者は「あの時何が起きていたのか」に気がつくはずなのだ。
高市総理の持ち味は朗らかな人柄の良さだった。ところがこの良さが次第に削られ「どこかギスギスした」印象の会見が増えている。党の内外で孤立が強まると次第に経産省は「民意は経産省にある、錦の御旗の前にひれ伏せ」と霞が関を肩で風を切って歩くようになるだろう。すると総理はますます孤立し持ち味が消えてゆくはずだ。
今回の一連の分析で最も意外だったのが保守派の動きだった。彼らは経済について熟知しておらず「生活が苦しくなっても高市総理を支援し続けるのではないか」と思っていた。しかしそれは対左派に対するポジション取りであって、内部では冷徹な「経営判断」が働いていた。彼らは経産省に踊らされるつもりはなく、自分たちを支援してくれている人たちを満足させるようなメッセージを発信し続けなければならない。つまりそこにはある程度の冷静な市場判断が働いている。高市政権はそれを「ビジネス保守」と揶揄した。表向きの説明は「岸田・石破などの」自民党リベラル」に対する反感ということになっているが、実際のターゲットはそこではないのかもしれない。

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