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トランプ大統領が国際法無視を宣言

8〜11分

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日本でも盛んにトランプ大統領関連のニュースが伝えられている。内容は「トランプ大統領のご乱心」であり、アメリカの民主主義の不可逆的な変化ではない。おそらくトランプ大統領がいなくなればもとに戻るというハルシネーションが起きているのだろう。だからおそらくこの発言は日本国内ではニュースにならないだろう。トランプ大統領が国際法の無視を宣言した。

Yeah, there is one thing. My own morality. My own mind. It’s the only thing that can stop me.

The New York Timesのインタビューは多岐にわたる。

この発言は「うん、一つだけある。それはオレの道徳、オレの心だ。それだけがオレを止めることができるんだ」と続く。その後に国際法についての言及があるので「国際法なんか無視しても構わない、オレはオレの心に従うんだ」ということになる。さらに「誰も傷つけるつもりはない」とも言っている。つまり自分はいい人間だから何をやってもいいのだと言っている。そしてアメリカ合衆国で彼を止めることができる人や機関は存在しない。

アメリカ合衆国はかつては世界の警察官だった。警察官が機能するのは「法律に従っている」という前提があるからだ。しかしトランプ警官は「オレは法律には従わない、オレを止められるのは自分の良心だけだぜ」と言っている。確かに昭和にはこんな刑事ドラマが多数作られていた。独自の正義感と美学に則って銃撃戦を繰り広げる「あぶない刑事(1986年)」の世界である。

実際にトランプ警官はロシアのタンカーを拿捕している。ベネズエラの石油は全て自分たちのものでありアメリカ製品を買うためにだけ使われる事になっている。だからそれを盗むのは悪であり、国際法を無視してでも止めなければならないというわけだ。

ABCニュースはこの話題を上院の法案といっしょに報道している。つまり国際法だけでなく立法府とも対立しているというほのめかしだ。しかしこの法案は下院で可決する見通しが立っておらずトランプ大統領の拒否権を跳ね返すものにはなっていない。あくまでも「上院議員たちのアリバイ作り」の一環と見るべきだろう。

ではトランプ政権を止めるものはなにもないのか。

意外な報道が出てきた。実はバンス副大統領が今回の件で「国内問題に集中すべきだ」との立場を示しているという。

2人のホワイトハウス関係者によると、ワイルズ首席補佐官、ブレア次席補佐官、バンス副大統領が国内問題を優先するよう求めている。特にバンス氏は会議の場で、生活に密着した課題に繰り返し焦点を合わせようとしているという。

トランプ氏のベネズエラ重視に側近が懸念、中間選挙への影響危惧(REUTERS)

自らも崩壊家庭に育ち「崩壊家庭の良心」として機能してきたワイルズ氏が反対しているのは分かる。「純粋な選挙の人」のブレア次席補佐官が反対しているのも理解できる。彼は報道に乗らない共和党の選挙事情を肌感覚で知っている。このままトランプ大統領が外交にのめり込むと共和党が破滅しかねないということ。

意外なのがバンス副大統領のポジションだ。これまでスティーブン・ミラー氏がシナリオを書き、バンス副大統領が協力してトランプ大統領を煽っている可能性があった。そして状況が沈静化するまでルビオ国務長官は表に出てくることができないという図式である。

しかし今回の報道を見るとその図式が必ずしも当てはまっていないため修正が必要になる。アメリカ第一主義を掲げるバンス副大統領ですら「もう何もオレを止めるものはないぜ」と吹き上がるトランプ大統領をおさえきれていないということだ。と同時に自分が受け継ぐべきヘリテージが目の前で燃やされることに我慢ができなくなっているのかもしれない。

つまりアメリカ合衆国は今それくらい重大な危機を迎えている。

日本のメディアはおそらく「自分たちが依って立つ基盤」である「アメリカ=世界の警察官」という図式が崩れ始めていることに怯えこの問題を直視しないだろう。

しかし、実際にはこの崩れかけた状況で誰がまともさを維持しているのか?を冷静に見極める必要がある。

と同時にアメリカが国際社会の抑止力や国際法によって止まることはなく、法律さえも抑止力にならないことが分かる。彼らが見ているのは国内の選挙事情だけなのである。

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