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意味が崩壊する世界 アメリカがザポリージャの共同管理を提案とプーチン大統領

5〜8分

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Bloombergが米、ザポリージャ原発での暗号資産マイニングに関心示す-ロシア紙という記事を書いている。途中をすべて飛ばすと「意味の崩壊」という新しい世界への入口である。

問題は当ブログのような素人でもそれがわかってしまうという点にある。

ニュースはロシアのプーチン大統領がザポリージャ原発の共同管理をアメリカから持ちかけられたというもの。アメリカ合衆国は暗号資産マイニングに関心を持っているとされている。

このニュースは軍事的にヨーロッパやウクライナの主張とアメリカ(おそらくトランプ大統領周辺だが)の目論見が完全に異なっていると示すニュースだ。つまりロシアはアメリカとヨーロッパを引き離したい。

しかしながら隠れたポイントは「エネルギーが富に変わる」と気がついた人がいるという点にあるのだろう。記事にはプーチン大統領の写真が使われているため「プーチン大統領が気がついた」と考えたくなるのだが、記事をよく読むとアメリカからの提案であるとわかる。

おそらくそれはトランプ政権なのだろうが、トランプ大統領一人が発案できるとは思えない。つまりそのような人々が背景にいるということになる。

表向きは暗号資産計算ということになっているのだが、これをAIに当てはめるとより早く精密な計算ができたほうが戦争に勝てる社会が到来するということも意味している。そして緻密なAI回路や優秀な半導体がなくても物量を回して計算すれば勝てるということだ。

暗号資産は批判が少ない表向きの理由かもしれない。

ではこれは世界中のエネルギーの枯渇につながるのか。確かにその可能性はある。しかしその前に「意味の飽和」が起きる。暗号資産も硬度戦術もコモディ化して使い物にならなくなる。しかもそれが起きたあとの世界を人類は理解できない。

重要な点は2つある。

1つは「1人の首謀者がいる」わけではなく「大勢」が同じ考えを持っているという点。つまり競争が起きた時点でコントロールできなくなる可能性が高い。もう1つはこれが企みではなく「発見だった」という点にある。様々な技術の組み合わせから「意味を制したものが世界を支配できる」と人類が気がついてしまったということ。これは叡智でもあり災いでもある。

結果的に人類は核戦争(物質世界が崩壊する)というリスクに加えて「意味の崩壊」という新しいリスクを抱えることになった。こうしたリスクは古くから知られていたが、我々のような一般人ですら思いつく地点まで一般化しているという怖さがある。わかってはいるがそれがどんな世界なのか想像ができない。

今回のザポリージャの計画が現実化する可能性は必ずしも高くはないのだろうが、おそらくアメリカ合衆国には「自分たちは意味を制して世界を征服できる」と考えている人たちが大勢いるはずだ。しかし彼らは必ずしもそれを自分たちが管理すべきだとは考えていない。アメリカ合衆国はこれまで機関的に制度の暴走を防いできたが意味の飽和という新しいリスクを押し返せるのかは誰にもわからない。そんなリスクは今まで地球上に存在しなかった。

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