維新の藤田共同代表の釈明が泥沼化している。原因は3つある。藤田共同代表の性格、曖昧な政治とカネのルール、大阪庶民感覚とのズレである。創業者橋下徹氏はズレを「ズルい」と一言で表現している。
これまで吉村洋文代表の影であまり目立たなかった藤田文武共同代表。今回の政治とカネの問題の釈明で「鉄砲玉みたいな人だな」という印象が生まれた。これまで維新にあまり注目してこなかったこともあり「維新って実はこんな人ばかりなのかな」と感じてしまう。
創業者として維新ブランドを守りたい橋下徹氏は維新の肝は代表=吉村氏であると強調している。もともと顧問弁護士として対外コミュニケーションを担当してきたのだろう。爽やかなイメージを前面に押し出し維新のブランドイメージを牽引してきた。
藤田共同代表はしんぶん赤旗は報道機関ではないと主張し記者に対する「犬笛めいた」名前晒し上げを行った。当然今後記者たちに反発されることになるだろう。テレビとうまく付き合いSNSも乗りこなしている吉村共同代表とは対象的である。
実は藤田共同代表の秘書が経営する会社には大阪総支部からの資金も流れていたようだ。政治学の専門家は「有権者の政治とカネに対する視線が厳しくなる中」で「使い道が監視されている政党助成金」を「監視のない秘書の名義にする」のは政治資金規制法の趣旨に反すると反論するのだろう。
しかし、当ブログのような政治素人はアメリカ合衆国の事例などを見つつ選挙に多額の資金が注ぎ込まれる国もある一方でほんの数百万円を捻出するのに実にせせこましい手法が次から次へと開発される一瞬の職人芸の世界に別の異常さを感じる。
しかしながら、創業者橋下徹氏は全く別の見方をしている。「しまつ=節約のこと」を旨とする大阪市民・府民から「なんとなくズルい」と思われることがもっともマイナスの材料なのだ。
では有権者にズルくないと思わせるためにはどうすればいいのか。
そもそもズルいという感情は「自分には分前がないのにあの人達だけ分け前をもらっている」という嫉妬心から来ている。つまり、有権者にバラマキ還元をするしか生き残る道がないということになる。
コストプッシュ型のインフレが続く限り有権者は「自分たちには分配がない」と感じ続けることになり、政治資金の「公正な調達」はますます難しくなってしまう。
藤田共同代表の挑発的な開き直りは結局政治家全体の首を絞め続けている。
