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連邦政府の閉鎖を選挙キャンペーンに利用するトランプ大統領

6〜10分

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連邦政府が閉鎖されて一ヶ月が経った。ABCニュースでは「連邦政府の閉鎖の影響で4200万人が食糧支援を失う」などと表現されている。一方でトランプ政権は今回の連邦政府閉鎖を選挙キャンペーンの雛形として利用したいと考えているようだ。トランプ大統領は政治を短期ゲームの積み重ねとして理解しているが、議会は実はこの短期ゲーム化に密かに抵抗感を示している。

アメリカ合衆国の民主主義は長い時間をかけて構造的に「人質政治」に陥った。トランプ大統領はこの状況を終わらせて議会を自分のゲームに有利な構成にしたい。そのためには上院のフィリバスター(議事妨害)規則が障害になるため議会に働きかけて規則を撤廃させようとしている。

常識的に考えれば政治は国益を最大化すべきである。資本主義を持続可能なゲームにするためには敗者をゲームに参加させ続ける必要がありセーフティネットの維持が欠かせない。つまり4200万人に対する支援の打ち切りは国益に沿わない動きになる。

一方でトランプ大統領は政治を1回限りのゲームの積み重ねとして捉える傾向がある。つまり選挙に勝ち続けるために有利な状況を作り出す必要がある。

Axiosによればバージニア州とニュージャージー州で知事選が行われる。トランプ政権は多額の資金を注ぎ込んだうえで連邦政府閉鎖の責任を民主党に負わせようとしている。仮にこの作戦が成功すれば、連邦政府の閉鎖は長引き国益が損なわれることになるだろうが、トランプ大統領は短期ゲームに勝利することができる。

ChatGPTを使って整理してもらったところ、スウィングステート(ニュージャージー)では効果が出そうだが民主党優位の州(バージニア)の結果は覆せないだろうと見られているようだ。しかし、スィングステートが議会優位を決定づけると考えればこの計画はギャンブルであっても勝算がある。失うものはないのだから試すに値するゲームだ。

実際に連邦政府閉鎖は民主党の支持基盤である連邦政府職員労働組合を苛立たせている。組合は共和党を支持することを決めたがそれに離反して離脱する組合も出てきているそうである。ただしトランプ大統領の闘争が長引けば「一回きりのゲーム」ではなくなってしまう。

問題解決のための手段であるはずの選挙が目的化するとは……という心理的な嫌悪感はありながらも、ゲームのルールを理解することは重要かもしれない。

ChatGPTには選挙前の推論をしてもらったので、選挙結果が出たときにまたその検証を行わせたい。

一方で議会(上院)はゲームの短期ゲーム化を恐れている。もともとフィリバスターは偶然の産物だったようだ。GEMINIの整理は次のようになるがChatGPTは「意図せず導入された」とは評価していないようだ。またジェファーソンが副大統領だったという記述も誤りなのだそうだ。

1806年の規則改正: トーマス・ジェファーソン副大統領(当時)の提案により、上院の議事規則を簡素化する過程で、この「前の質問」の動議に関する規則が誤って、あるいは意図せず削除されました。

つまり、フィリバスターは意図せずに生まれたが長期的に信頼関係を構築するためには有用なルールでだったために定着したということが言える。

仮にこの規則がなくなればトランプ大統領の意図に従って短期ゲームに参加することになるが当然副作用として

  • 良識の府としての存在感が失われ
  • 民主党が議会多数派を握ったときに激しい報復に会うため犠牲を支払ってでも信頼関係を維持したほうがトク

という別のルールブックが存在することがわかる。