日本維新の会の藤田文武氏に新しい「赤旗砲」がお見舞いされた。今後、維新は政治とカネの問題を議員定数削減問題にすり替えようとしていると批判されるだろう。意外なことに橋下徹氏も「マネーロンダリングだ」として藤田氏を突き放している。
今回の事例はおそらく刑事事件として告発されない程度のスキャンダルであることが重要だ。終わりのないテレビドラマのようなイライラする展開となれば高市・維新「なんちゃって連立」内閣への逆風になる。
赤旗日曜版は29日配信の電子版で、藤田氏側が2017年6月~24年11月、公設第1秘書が代表の会社に「機関紙ビラ印刷費」などの名目で計約2100万円を支払っていたと報道。そのうち約1965万円が政党交付金などの公金だったと指摘し、「身内への税金還流」と問題視した。
維新・藤田氏、公金還流報道に反論 橋下氏「実費以上ならアウト」(時事通信)
維新は吉村洋文大阪府知事の個人的パフォーマンスによって保たれている政党で、藤田氏はサブキャラだった。しかし国会運営が始まれば吉村氏が介入することは難しくなり藤田共同代表が主役になる。
仮にこれが議員の身分に関する問題に発展しなければ、政治家は自分たちが作った都合の良いルールによって守られていると批判されることになる。つまり刑事事件未満だからこそ厄介なのだ。
橋下徹氏も(少なくとも今の時点では)公金マネロンと強い調子で藤田氏を批判している。今後どのように橋下徹氏のポジションが修正されるかも含めて注目したい。
今回の政治とカネの問題について当ブログでは、政治にはお金がかかるのだから企業献金の問題も含めて透明化を図るべきだと主張してきた。霞を食って政治ができるなら問題はないが、やはり政治活動の維持にはお金がかかる。
維新は常々「企業献金に頼っていない」と主張しており、候補者のお金の面倒も見ない傾向が強い。そのためどうしても政治家一人ひとりが自分で資金調達を行う必要があるのだろう。だからこうしたスキャンダルとは無縁でいられない。馬場伸幸氏も未解決のスキャンダルがあり文春で度々報道されている。
日本共産党も自分たちは清廉な政党だと言っているが共産党員にかなり無理をさせているのではないかと思う。志位和夫氏はマルクスについての書籍を出版。これをきっかけに各種SNS番組出演に応じ赤旗日曜版を大いに宣伝している。共産主義者が本を売らなければならないというのはかなり皮肉なことだが何としてでも赤旗日曜版を売り出さなければ政治活動が維持できない。結局どこの政党も政治には資金が必要なのだ。
政治とカネの問題を解決するためには有権者の間に漠然と広がる「政治活動にお金がかかるのはいけないことだ」という思い込みを払拭する必要があるが、雨だれ式に事件未満のスキャンダルが続くことで、却って有権者の間に疑念が広がることになる。
このような状態が続けば高市・維新「なんちゃって連立」政権は政治とカネの問題で叩かれ続け安定的なな政権運営は難しくなるだろう。
