全国でクマの被害が拡大している。死者数が7人目になり怪我人も含めると108名に昇ったそうだ。これは活動気に当たる4月から9月の数字だそうだ。猟銃による駆除が追いつかないため秋田県知事は自衛隊の出動を要請すると言っている。自衛隊の武力でクマに立ち向かってほしいという要望があるのだろうが、自衛隊は銃は携行しないと言っている。
クマ被害の拡大理由はすでにある程度わかっている。日本は里山防衛について力強く取り組むべき時期に来ている。
全国でクマの被害が拡大している。活動期にあたる4月から9月の間に99件の被害があり108名の被害者が出た。死者は7名だそうだ。テレビなどでクマ被害についてみると顔がめちゃくちゃになってしまうほどのケガを負う人も多いようである。このためワイドショーなどでは「クマに出くわしたら顔だけは守りましょう」などと報道している。
秋田県知事は現場は疲弊しているとして自衛隊に出動要請することを決めた。日本テレビが独自として伝え各社が追随している。
猟師たちのボランティア的な活動には限界があり、誤射が殺人罪に問われかねないというリスクもあるそうだ。つまり、地方自治体は訓練された自衛隊の「武力」に期待しているのだろう。いわば一種の里山防衛隊である。
しかしながらこの期待は叶えられそうにない。
現在の自衛隊法には「里山防衛任務」は含まれていないため銃器の携行・使用は認められないそうだ。自衛隊の任務はあくまでも後方支援となり猟師たちのリスクは軽減されそうにない。
クマが現実に人を襲うようになったため「何が原因かを追求しても仕方がない」と書こうと考え念の為に調べてみたところ原因はある程度わかっているようだ。
地方を中心に少子高齢化と過疎化が進行し里山が荒廃しているのである。つまり強い日本を取り戻すなどと言いながら実際には人間が管理できない地域が増えているということ。実際に必要なのは自衛隊の武力ではなく地域の「里山防衛力」なのだろう。
東京農大の山崎晃司教授(動物生態学)は「今の日本はクマが生息しやすい環境だ」と話す。過疎や高齢化に伴って耕作放棄地ややぶが増えるなどして人家の近くまで森林が続き、クマの生息環境が人の生活圏に近づいているという。
過去最悪のクマ被害、全国の死傷者200人近く…「秋田と岩手で何があったか検証すべきだ」(読売新聞)
