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鈴木俊一幹事長は「財政再建」への布石なのか「財政拡大」への布石なのか

8〜11分

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JNNが緊急世論調査を行った。これまで「他に人がいないから」という理由で支持されることが多かった自民党総裁・総理大臣だが、久々に「政策が期待できる」が首位だったそうだ。そこで気になるのが麻生太郎氏と鈴木俊一氏の復権である。どちらかと言えば財政再建派のイメージが有り「高市早苗新総裁の主張にブレーキが掛かるのではないか」という印象。そこでGEMINIに聞いてみたのだが意外な答えが戻ってきた。

JNNが緊急世論調査を行った。高市早苗氏の政策に期待するという声が大きい。安倍総理の後継として「アベノミクス(拡大財政路線)」を継続してくれるという期待があるのだろう。

「期待する」と答えた人の理由について聞いたところ、1位は「政策に期待できる」で25%、2位は「ほかにふさわしい人がいないから」と「刷新感があるから」が23%でした。

【速報】高市新総裁に「期待する」66% JNN世論調査

個人的には高市早苗新総裁の政策は円安と人材不足を加速させインフレ・高金利を加速されると考えるが、一般的には「国が財政拡大してくれれば生活が楽になる」という安倍総理時代の記憶が定着していることがわかる。

安倍総理が対人した後でウクライナ戦争やコロナ禍に起因するインフレが加速したことからも「昔は良かった」と考える人が増えているのだろう。

ただしさまざまな記事を読んでも「麻生太郎氏の復権」のために義理の弟である鈴木俊一氏を要職に起用するという記事が見られるだけで、鈴木俊一氏の幹事長起用が高市早苗氏の政策を弱めるというような分析はない。

そこで改めてGEMINIに問い合わせたところ「麻生太郎総理は積極財政派だった」との回答を得た。また鈴木俊一財務大臣も「景気対策優先」だが日本の財政再建は綱渡りの状態にあると主張していたそうだ。

そこで「にも関わらず麻生太郎氏に財政再建派であるという印象がついているのはなぜなのだろうか?」と聞いてみた。「そんなのあなたの印象でしょ」と言われると思ったのだが、最近のAIはかなりよくできている。

GEMINIは選挙対策として積極財政を謳いながらも、財務省が主導する消費税増税を推進してきたことから「そのような印象が生まれたのだろう」と言っている。財務大臣時代が長かったため「財務省よりの姿勢がより印象に残ったのだろう」というわけだ。

麻生財務大臣が積極財政を打ち出してきたのは自分の政権担当時代と安倍政権初期だった。

つまり安倍政権は

  • 統制が苦しいときには選挙対策としては積極財政を掲げつつも
  • 実際には財務省のアジェンダに従って消費税を守ってきた

という政権だったことがわかる。

政権が危なくなると「票を買うために」財政拡大に走り、政権が安定してくると財政再建路線が強まるということだ。特に国民の期待が高まると高市総理は財政拡大色を鮮明にし鈴木氏もそれに合わせてメッセージを巧みに変えてゆくということが予想される。

これまでは菅義偉氏が中心になって小泉進次郎首班を念頭に維新との連携を進めてきたとされている。しかしながら国民の財政拡大欲求を背景に高市早苗氏が躍進したことで麻生太郎・鈴木俊一両氏も「綱渡り的」にメッセージを使い分けてゆくということだ。

両氏にとっては国家財政を理解していない維新よりも政権幹部に大蔵省出身者が多い国民民主党のほうが組みやすいのかもしれない。玉木雄一郎氏も古川元久氏も同じ「欺瞞の言語」を話すことができ、綱渡りのパートナーとしてはぴったりだ。イデオロギーベースの政治が発展しなかった日本では結局「同じ組織に育ち同じ言語を話せる人」でまとまる以外にはないということなのだろう。

政権が維新から離れると「公明党問題」も解決する。公明党は高市早苗総裁の過去発言と維新の接近にかなり強い警戒感を持っていた。このため高市早苗新総裁はまず公明党に連絡を取り新しい約束を交わしたと共同通信が伝えている。選挙区連携があまりにも複雑に絡み合っているため切るに切れなくなっているようだ。

公明党とは政治改革断行を約束しつつ、地方に配慮して企業献金を守り、安倍派を復権させる。高市早苗新総裁に求められるのは「欺瞞の言語」の習得だろうが、分配が多くなれば国民も問題を忘れてくれるかもしれない。

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Comments

“鈴木俊一幹事長は「財政再建」への布石なのか「財政拡大」への布石なのか” への2件のフィードバック

  1. 細長の野望のアバター
    細長の野望

    「日経平均株価が一時2100円以上値上がり、4万7835円で取引終了 取引時間中の最高値更新 史上初の4万7000円台に」
    このような記事が登場しましたが、投資家にとってはこういう政治家は歓迎するのかもしれませんが、日経平均株価の高さと実際の景気の乖離を感じている私からすると、またマネーゲームかと思ってしまいました。

    1. 不安なニュースにうんざりしている人たちが景気がいい話を聞きたかったんだろうなあって思いました。多分円安でインフレが進むと気がついている人は多くはないんでしょうね。