高市早苗氏が奈良のシカを蹴る外国人は許せないと発言したそうだ。外国人ヘイトに群がる人々に依存せざるを得ない高市陣営の苦しい内情が浮かび上がる。
先日来Xでアフガニスタン人の陳情が炎上しているのはご存知だろうか。アフガニスタン人の親がイスラム教徒に対応するために豚肉要素を取り除いてほしいと陳情した。これに目をつけた人が「宗教ごときで特別待遇を要求するとは!」と騒ぎ出した。中には日本の習慣に従えないなら母国に帰れなどと言っている人もいる。
ただしこのトレンドに群がっている人のどの程度が実際の議論の中身を見たのかはよくわからない。相当数はタイトルだけを見て反応しているのではないか。
日本人はお互いを縛り合っており特別待遇を要求する人々に対して厳しい目を向ける。特に「弱者」と認定された人がターゲットになる。自分の要求が通らないならば他人の要求は決して認めたくないという強い圧力が働いている縛り合いのムラが形成されている。
実際の議事録を見てみた。担当部局はアレルギー物質の除去も対応しているのでできるか検討してみるが原材料レベルで豚肉エキスが入っている上にアレルギー対応と両立できないと回答している。しかもこの陳情が討議されたのは令和5年である。つまりXのAIが2023年の出来事を掘り起こしてきたことになる。何らかのきっかけ投稿があったのかもしれない。
これが今になって浮上したのは意見表明できない抑圧された人々が外国人ヘイトを使えば不満を表明できると気がついたからなのだろう。さらにこれを使えば自分の政治活動に支持を集めることができると気がついた政治家がいるということがわかる。
しかし、外国人ヘイトに頼る政治活動には原理的な難点がある。
このようなヘイトに反応する人たちは自分が本来何を欲しているのかがわからない。つまり原理的に決して満足することはないので、一度ヘイトに手を染めてしまうと次から次へとヘイトを先導する材料を探さなければならなくなってしまう。
安倍晋三総理大臣は不満を抱えた人々を体制側に抱き込む防波堤のような役割を果たしてきたが、すでに水は外にこぼれだしてしまっている。
なお、奈良でシカをいじめるなと言う条例が作られたのは確かなようだが、実はSNSのビデオが拡散しただけであって奈良で外国人が寄ってたかってシカをいじめているという事実はないようだ。2025年6月の記事によると担当者は「事実がないのに条例を作った」ことになるため「あくまでも予防的な措置ですよ」と言っている。
つまり外国人を叩けば振り向いてもらえると気がついた人が増えているということだけがニュースなのだろう。外国人ヘイトに頼る人たちの渇望感が偽物だと断言するつもりはない。おそらくそれは本物の苦痛ではあるのだろう。ただ、高市早苗氏は決して喉の乾きが癒えることがない人々にすがってでも総裁になりたいのかをもう一度よく考えたほうがいい。

“高市早苗氏が「奈良のシカを蹴る外国人は許せない」と発言” への6件のフィードバック
今回の記事を読み、子供が親にかまってもらうために不良行為をするのを思いましたね。
よく、要求を通すとドンドン要求がエスカレートするという人がいますが、これも己の要求が通らないことによる不満の表明なのでしょうね。
その不満をヘイト行為という代替行為にしたところで、原理的に決して満足することはないのは確かだなと思います。
「酸っぱい葡萄」みたいに、自己完結が出来ればいいのですが、実際には葡萄を食べに来た別の動物に石を投げるのが人間なのですね。
ふと我に返って本当に自分が欲しているのは何なんだろう?って自問自答した時が一番苦しい…… 少なくとも個人的な経験ではそう思います。
そのお互いを縛りあう人達が本当に言いたい事は「あいつらだけが優遇されて
ずるい!!俺たちも優遇しろ!!」なんだと思います。幼い頃からお兄ちゃん(お姉ちゃん)
だから我慢しなさいと言われ続けてずっと我慢し続けてきたが為にもう耐えられなく
なってるんだろうとは容易に想像が付きます。でも大人になった身だとそれを
口にする事は子供の頃以上に許されない立場になってしまってる…。
それに加えて序列意識が身に付いて上下でしか相手を見れなくなってしまったのが
加わって虐めに走ってしまう様になったのかと思われます。虐めが娯楽で手っ取り早い
問題の解決方法になってしまってるんでしょう。
だったら自分が弱者の身になれば手を差し伸べてもらえるのかもしれませんが
それはそれで面倒だとまともに相手にされないか虐めれらる側に身を落とすかに
なってしまうかにしかならない可能性が高いので恐ろしくて虐める側にしがみつく
しかなくなるんだと思います。
アメリカではすでにこういう人たちがメインストリーム化しているので、日本もそうなるのだろうか?などと考えたりするんですよね。
メインストリーム化と言えば参政党の躍進辺りが真っ先に浮かびますが、
古谷経衡氏が参政党がやってる事をもっと力のある政党がやる様になる事を
懸念してると発言していましたね。丁度先日高市さんの集会の模様がニュースで
取り上げられていたのですが、杉田水脈元議員や日本会議の櫻井よしこ氏と言った
似非保守の大集合状態で大変嫌な光景でした。高市さんが総理になったとしたら
これらの人々の正解への返り咲きや参政党や日本保守党辺りとの連立が現実味を
帯びてきそうなのと安部元総理の時代再びみたいな流れが出来そうで…。
とにかく彼らが望んでるであろう虐めが合法的に出来て誰にも咎められない
社会や世界が出来上がる事が無い事を祈るばかりです。
高市早苗氏が総理になるなど成功体験を積むと更に盛り上がるのではないかと思います。逆に民意がねじれたまま小泉さんが総理大臣になってしまうと石破さん以上のアンチ・自民党運動が起きるかも。