週末の話題は「あの」小泉進次郎氏が満を持して出馬を決めたというものだった。
そんな中、田崎史郎氏や青山和弘氏が麻生太郎氏が小泉進次郎陣営に加わるのではないかと指摘し注目を集めた。政治とカネの問題の対応を評価しているのだという。
麻生氏は一体小泉進次郎氏の何を評価しているのか？
組織を守るために身代わり出頭し刑務所で勤め上げた人が組織で偉くなってゆくというようなエピソードが語られることがある。これはあくまでも反社会的勢力の話だが自民党内部にも似たような発想があるようだ。
麻生太郎氏は「小泉進次郎氏は政治とカネの問題で泥をかぶった」と評価しているそうだ。政治家になるためには青臭い正論ばかり言っているようでは良くないという認識があるのだろう。組織のために泥をかぶり「面構えが立派になった」「政治家として一皮むけた」という評価。
自民党が解党的出直しを図るためにはまず今の分配構造が崩れていることを理解しなければならない。そのうえで政治とカネの問題がなぜ反発されているのかを理解することが重要である。
政治とカネの問題はなぜ反発されているのか。
理由は大きく分けて２つある。まず自民党を中心とした分配構造から排除された「無党派」が増えている。特に若年層ではこの傾向が顕著だ。しかしこれまで分配構造の中にいた真面目な人達も自民党議員のお金に対する扱いがあまりにも粗末だったことに憤りを感じている。
今回の報道を見ると青年政治家が次第に泥水を飲まされてうすよごれてゆく姿を消費しているように見えてしまう。自民党の党内政治を勝ち抜いた人がそのまま国民のリーダーになるのは難しそうだ。
一方で立憲民主党は「メディアジャックの後で爽やかな表紙に変わった自民党が早期選挙に打って出るのではないか」と心配している。
野田佳彦代表には未だに消費税増税を決めた国民の裏切り者という評価が定着している。党内のグループをまとめるために最大派閥サンクチュアリから人材を登用した。また幹事長になったのは新鮮味のない安住淳氏だった。
そんな安住淳氏が次のように発言している。
にぎやかに『メディアジャック』し、人気を借りて議席を増やそうと思っているなら、国民は厳しい目で見るのではないか
早期解散「国民は厳しい目」 立民・安住氏、自民けん制（時事通信）
国民は厳しい目で見るのではないかと言っているが、実際には新鮮な表紙にころっと騙される人が出てくるのではないかと怯えているのかもしれない。立憲民主党には小泉進次郎氏のようなスターがいない。
話を総合すると「爽やかな表紙」に変わったところで選挙が行わるが、小泉進次郎氏の発言は次第に曖昧なものになってゆき、みんなががっかりした２年後に次の総裁選が行われるということになる。
自民党が総裁選挙を引き伸ばしたことで補正予算策定の時間が削られている。総選挙がなくても今後どの野党とどのように協力してゆくのかという「下ネゴ」が行われる。仮に総選挙が行われるとなると１ヶ月近くが浪費されるが自民党が少数野党から脱却できるという保証はない。