9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

元記事はワシントンポストだったそうだ。政権(共和党だけでなく民主党も)に批判的でインテリ色が強いため軽蔑的な意味合いもあるかもしれない。トランプ政権がガザ地区の信託統治化を狙っているという。

前回のエントリーでアメリカ人の栄養知識のなさが公衆衛生に悲惨な結果をもたらしていると書いた。こちらは更に悲惨で国家存続の問題が単なる不動産開発事業のように語られている。アメリカ人が国際情勢にさほど興味を持っていないことがわかる。

元ネタはワシントンポストだったそうだが、時事通信とCNBCに記事を見つけた。ガザ地区を信託統治にした上でアメリカが「所有」する。その後でガザの人々にお金を支払って立ち退かせ、跡地にリビエラのようなリゾート地を作るのだそうだ。

国際政治のコンテクストではガザ問題は国家主権、民族自立、力による現状変更の阻止が重要である。しかしながらおそらくトランプ大統領はこれを理解しておらずそもそも理解するつもりはない。彼はこの問題を不動産開発事業だと考えており「デベロッパー」が「スラム街」を買い取って「経済的に価値がある土地に変貌させる」ことを求めている。連邦政府がお金を払うのは嫌なので立ち退き料は「テジタルトークン」で支払うそうだ。

ガザ地区の住民もこのままではジリ貧なのだから利得が得られるならばよいではないかという考え方はできる。

しかしながらこの考え方をとってもアメリカが利益を得ることは正当化できない。さらにイスラエルはガザからアラブ人を追い出すことを想定している。仮にリゾート化したいならイスラエルが撤退した上で国際的にガザのパレスチナ人の都市開発を支援すべきだろう。

そもそも国連信託統治制度はパラオの独立を最後に歴史的役割を終えている。アッバス議長の国連総会入りを妨害するアメリカ合衆国の計画が国際的に信任される見込みもほぼ無いと言ってよいだろう。また信託統治制度の改変は国連安保理マターなので常任理事国の賛同が得られるとも思えない。賛同が得られたとしてもロシアが欲しがっている地域も「信託統治領化」しろと要求されるだけに終わるだろう。

結果的にトランプ政権が国際政治を理解していないということを内外に宣伝するだけに終わってしまっている。なにか考えがあってこのようなプランが出されているというよりは「国際政治を不動産開発事業のようにしか理解できていない」ということだけがわかる。

日本とアメリカ合衆国は関税交渉で文書化の合意ができていない。商店になっているのは80兆円人も言われるファンドの行方なのだが、おそらく石破政権はこのファンドの内実を日本国民に説明できないのではないかと思う。最終決済者のトランプ大統領が理解できるようなファンドを作ると国際常識からは容易にかけ離れてしまうからだ。

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