先日、ベッセント財務長官の発言の真意をAIに聞いたうえで、ベッセント財務長官は長期金利の高まりを警戒しておりその要因の一つの原因である日本への資金逃避を警戒していると結論付けた。
今回はその答え合わせとしてTBS X Bloombergの番組を聞いた。ベッセント財務長官がアメリカの長期金利の高止まりを警戒しているという点までは一致していたが、その後が少し違っていた。FBRは期待したほどの利下げをしないのではないかというのだ。
先日ご紹介したPivotと違いコチラの番組はかなり構成がしっかりしている。
逆に進行がスムーズすぎるのでわかったつもりで聞いて、後で「あれってどういう意味だったんだろうか?」と感じることもある。今回の番組は非定期の「特番」で日本のGDPの伸びとベッセント発言の真意について扱っている。
ベッセント財務長官の発言の真意はエコノミストたちの「為替を意識した発言」ではなくアメリカの財政の持続性を懸念しているのではないか?と解釈されている。
ベッセント財務長官は日本でインフレが定着するのではないかという懸念を持っており「リーケージ(漏れ)」という発言から日本やヨーロッパに資金が流れしたがってアメリカに資金が集まらず長期金利が高騰することは心配しているようだがそれはメインシナリオとしては語られていなかった。
プレゼンテーションはベッセント財務長官は口ではFRBのパウエル議長を攻撃しながらも本心では防波堤としての役割を期待しているのではないかとしている。短期金利が低下しアメリカの好景気が続くと市場が予測すればそのまま長期金利の上昇につながってしまうからである。パウエル議長とベッセント財務長官はこの見解を共有していると見ているようだ。その意味では次のFRB長官もトランプ大統領に唯々諾々と従う人物であっては困る
ここから発展して「実は市場が期待するほどの利下げは行われないのではないか?」という推論に発展する。パウエル議長は市場が過度に楽観しない程度に金利を下げるという難しい舵取りを求められている。
次のFOMCは9月中旬に行われるわけだがその前にジャクソンホール会合が行われる。形の上ではトランプ大統領とベッセント財務長官はFRB議長を激しく攻撃しており、何らかの形でそれに「応える」発言を行う可能性がある。パウエル議長は8月22日に見解を発表することになっている。
Bloombergの「ジャクソンホールでハト派なら米株に利益確定売りの可能性-BofA」という記事は非常にわかりにくい。
ジャクソンホールでパウエル議長が利下げ(ハト派)を発言すれば投資家はもっと株を買うはずである。しかしこの記事では「利益確定」が行われると書いている。つまり、すでに投資家の期待以上の利下げが織り込まれているため、利下げ幅が確定した時点で「利益確定売り」が起きて株価が下がる可能性があるということだ。
話を総合すると今の株式相場は(日本もアメリカも)期待以上に資金が流れ込んでいるのではないかと推論することができる。この時期に「バスに乗り遅れるな」とばかりに資金を投下するかどうかは個人の判断といったところだろう。
