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みんなやっているのに何が悪い 李在明大統領が曹国元法務大臣らを恩赦

5〜8分

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ニュースとしては数日前に出ていたようだ。光復節(日本の終戦記念日)にあわせて李在明大統領が曹国元法務大臣らを恩赦した。日本とは全く感覚が異なるニュースで大統領経験者が次々と悲惨な運命をたどる理由もこのあたりにあるのだろうという気がする。

読売新聞が光復節(日本では終戦記念日)にあわせた恩赦について扱っている。大統領は自分たちの陣営に協力してくれる人たちを恩赦した。読売新聞は「李在明大統領が政治的思惑で国民情緒を度外視した」としている。

韓国ではどのような扱いになっているのだろうかと検索してみた。李在明大統領に近い革新のハンギョレの記事が見つかった。日本とは全く感覚が異なっている。

ハンギョレはまず「無念」という表現を使っている。李在明大統領が曹国氏の無念を晴らしてやったのだから革新党は共に民主党と統合すべきだというのだ。入学斡旋などの「ちょっとした不正」はみんながやっていることであってそれを理由に公民権を剥奪されたのは無念であるという感覚は日本人には理解しがたい。

さらに驚いたことに曹国氏「政権復帰」について語られている。恩赦のあとすぐに代表に復帰するのはあまりにもあからさま。しかし地方選挙を陣頭指揮するためのスケジュールを考えるとあまり時間を開けるわけにもゆかないという。このあたりの世論(いわゆる国民情緒)を考えながら政界復帰の時期を探るものとされている。

過去にとらわれない未来志向といえばその通りではあるがあまりにも極端だ。

別のハンギョレの記事によると曹国氏が共に民主党に合流すべきか地方選挙に出馬すべきかで意見が割れているそうだ。共に民主党が統合に前のめりになる中、飲み込まれる形となる革新党は抵抗している。

革新党は曹国氏を大統領候補としてもり立てることで党勢を回復させたいと考えているようだ。ここでソウルや釜山の市長になってしまうと大統領候補としての活動が制限され「党にとって損だ」という気持ちがあるようだ。

一方で共に民主党には「助けてやったんだから黙って自分に従え」という気持ちもあるのかもしれない。

いずれにせよ「ちょっとした不正」を軽んじる姿勢、リーダーが誰かによって政党の浮き沈みが激しいという韓国特有の事情が腐敗体質の背景にあることがわかる。韓国は休戦という特殊な状況に置かれていることから大統領の権限が極めて強い。このことが大統領を経験すると軒並み逮捕されてしまうという韓国特有の状況につながっているのだろう。

なお前の大統領はすでに逮捕されており夫人も不正疑惑で逮捕されている。夫妻が同時に逮捕されるのは初めてなのだそうだ。夫人の弁護士は容疑を否認してる。夫人の疑惑は大統領就任前のものがあり尹錫悦大統領(当時)は捜査を遅らせる目的で国会を武力掌握しようとしたのではないかともいわれている。一方で国民の力側は「政治報復だ」と主張しているという。ハンギョレ流の表現では金建希夫人もさぞかし「無念」なのだろう。