9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


【どうでもいい】石破総理が続投のお気持ちを再度表明

9〜14分

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください

自民党両院議員懇談会が行われた。ガス抜きは4時間半に及んだそうだが結論は出なかった。森山幹事長は退任を示唆するとともに議員総会の早期開催についても明言した。政局的には次の政権の枠組みが決まる重要な一歩のはずなのだが個人的には「どうでもいいや」と感じた。

自民党の「責任」などもうどうでもいいのだ。

両院議員懇談会はすれ違いに終わったようだ。石破総理大臣は政治空白を作ってはいけないと主張したが議員たちからは「責任」を問う声が多く寄せられた。懇談会は4時間半に及んだそうだ。

個人的な感想を押し付けるのは良くないと思うのだが「どうでもいい懇談会だな」と感じた。理由は2つある。

1つ目の理由は関税交渉だ。そもそもトランプ大統領は関税交渉の妥結を望んでいない。国内の問題を外国のせいにするために自由貿易がターゲットになっているに過ぎない。

ヨーロッパとの交渉については別途まとめるが「preliminary」と表現されている。予備交渉という意味である。日本はもはやアメリカ合衆国が自由貿易の維持を望んでいないという事実を前提にして意味のない交渉を続ける必要がある。

日本が前提としてきた自由貿易体制は明確な終りを迎えつつある。トランプ大統領のご乱心ではない。アメリカ合衆国はもう自由貿易体制を維持できない。

過去にも同じようなことはあった。それがニクソンショックとプラザ合意だった。プラザ合意によって日本はバブルに陥り失われた30年に突入したと言われている。おそらく今後似たような(あるいはもっとひどい)事が起きるだろう。

2つ目の理由は「責任」の内容である。4時間半の会合の発言が部分的に伝わってきている。

  • 直ちに辞任することが責任のとり方ではない。予算案を通せる体制を死に物狂いで作らなければならない。
  • 変わるという意思を示すために総理大臣らトップが退陣すべきだ
  • 負の遺産を改善できなかった責任は執行部にもある。
  • 組織の長として選挙に負けたというけじめを付けるべきだ
  • 選挙による民意が示されたにも関わらず総理大臣が続投すれば民主主義の破壊につながる。

選挙に負けたのだから候補者に対して責任を取れと言っている人もいればそもそも国民に期待に答えられなかったのだから責任を取れと言っている人もいる。ただその期待が何だったのかはよくわからない。

政権に居続けることが自己目的化しているために組織としてのミッションが明らかになっていないとわかる。そもそも自民党は失われた30年の総括を行っておらずアベノミクスで問題を先送りにしただけだった。一旦総括を始めると1980年頃から「やり直し」になる。

議員たちは口々に「責任を取れ」と言っている。それは誰かの(誰なのかは明らかでないが)期待に応えられなかったからだ。ではその期待とは何なのか。

おそらく誰も答えられないだろう。

おそらく予算案を通す体制を作れと言っている人は連立政権の組み換えを求めているのだろう。だが、これまでと同じ体制・姿勢でなぜ突然国民の期待に応えることができるようになるのか。また、なぜ総裁選挙をやって茂木敏充氏が新しい総裁になれば(選挙に負けたケジメをつけろと言っていたのは鈴木貴子氏だった)突然国民の期待に応える事ができるようになるのか。

ダラダラと長く続いた懇談会の発言から読み解くことはできない。

総括ができないのは国民も同じ。視線は何故か過去に向かっている。

政治が期待を示せない中で国民はそれぞれお気に入りの党を支援するようになった。

野党の中では「日本人ファースト」を訴える参政党がトップの支持を集めたと日経新聞・テレビ東京が伝えている。参政党はこれといった政策のない党だ。有権者が政策よりも「自分たちが優遇されてしかるべき」と気分に流されていることがわかる。日本はアジアの国から抜け出していち早く欧米の仲間入りをした。このため今でも「アジアに対して優位であるべき」と考える人が多い。参政党の日本ファーストは外国人排斥と表現されることが多いのだが実際には「アジア人より日本人のほうが優れていると認めさせろ」という主張である。

産経新聞と保守の人々は眼の前で起きている世界情勢の激変には目もくれず「石破総理が戦後80年談話で謝罪してしまうのではないか」と過去に警戒感を示している。ただ彼らも欧米に負けたと認めてはいけないなどとは言っていない。実はこれも「自分たちより劣っているアジアに謝ってはいけない」という気持ちの現われである。

これまで「保守の人々は激変する世界情勢とアメリカの変化を無視し続けているのだろう」と考えていたのだがもしかすると本当に見えていないのかもしれない。人々は政策による問題解決よりも「自分たちの気分」と「あるべき序列」を優先している。

麻生総理は両院議員総会の署名切り崩しを行い懇談会で「お茶を濁そう」とした。集まった署名を見て「現在の意思が確認できない」として曖昧に沈静化を図り衆議院選挙で敗北している。

森山幹事長は一応両院議員総会を開催する方針であると明言し自身の進退についても触れたそうだ。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで