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【悲報】陰謀論に傾斜した自民党が参政党に完敗してしまう

11〜16分

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先日小泉農林水産大臣の陰謀論めいた外国脅威論についてお伝えした。その後自民党有力議員のコメントが相次ぎ確定的事実として取り扱われていた。ところが参政党側がこれに冷静に対応し「完敗」してしまった。参政党は都市部で支持を伸ばしていると言う余裕があるのだろう。

なお当ブログは「参政党はロシアの影響を受けていない」と言い切ることは出来ないと考えている。ここは誤解なきよう。

起点になったのは小泉進次郎農林水産大臣の発言と平デジタル大臣の発言だった。政党の名前は出ていないが、東京で参政党が追い上げていたため焦りをつのらせたものと考えられる。ところが直接名指しは出来ないため民間のNOTE記事を一つ挟んでいる。

仮に外国からの影響があったとすればそれは長い間続いていたはず。それを長年放置し「今やっと発見した」となると自民党・公明党政権の危機管理能力には重大な欠陥があると指摘せざるを得ない。

Quoraではまだまだ検証が足りないのではとの意見もついた。だが、XでJapan News Navi関連のアカウントが大量閉鎖になったことで自民党議員の間では確定的な事実になっていったようだ。これは三原じゅん子大臣の発言が起点になっている。

そもそも参政党の躍進はうっすらとした有権者の不信感が「外国人」を媒介にして広がったものと考えることができる。

事実を内省することなく安易に外国人脅威論を煽り立てる姿勢には自民党の焦りを感じる。

細野豪志議員も「外国人が絡むなら話は別だ、SNSを規制せよ」と言っている。自民党には表現の自由を擁護する候補者が立候補し選挙活動を行っているがやはり本音では既得権維持の邪魔になるSNSは早めに規制しておきたいのかもしれない。地上波や新聞などの既存メディアも既得権維持を求めてこのキャンペーンに乗ってしまう可能性がある。記者たちがやたらとSNS脅威論を煽り政権幹部に質問を繰り広げ見出しを作ろうとしている。

規制をするのは構わない。ただこの場合背景にあるメカニズムをきちんと把握する必要があるだろう。

平将明デジタル担当大臣が「ロシア政府系メディアと近いのか?」とするタイトルの記事を紹介している。ところが記事をよく読むとオリジナルのレポートを参照しクロスチェックしようとしたところアカウントが大量閉鎖され検証ができなくなったと書かれている。

証拠保全が出来なかっため鳥海教授は「よくわからない」と結論付けている。平大臣が「よくわからない」という結論を広めたかったのかどうかもよくわからない。本当に記事の内容を読んだのだろうか。

仮にロシア政府が日本の政局に介入していたとしよう。結局日本側は長年この事実を見過ごしなおかつ「怪しい怪しい」と騒ぎ立てるばかりで何ら確証を得ることが出来なかったということになる。その程度のインテリジェンス能力しかないと明かされてしまったとすれば「闇の外国勢力」はおそらくほくそ笑んでいるのではないか。

そんな中、デイリーがこんな記事を出している。参政党・神谷代表「ロシア工作と参政党」陰謀論→自民政調会長、維新共同代表にSNS引用拡散され反発「ブログ鵜呑みですか?」「理由を教えてください」という長い長いタイトル。落ち着いた態度で「ロシアは脅威ですよね、一緒に協力しましょうよ」と連携を持ちかけている。

仮に参政党がロシアの影響を受けていたとしよう。「この程度のインテリジェンス能力ではとても我々の正体には気が付かないだろう」と考えていることになる。

参政党はおそらく今回の選挙にかなりの手応えを感じているのだろう。しっかりと自民党の不満の受け皿になっており党首の態度に余裕がある。もちろん自民党が最初に引き合いに出したレポートにも専門家なりの知見が含まれているのだろうがまだまだクロスチェックが必要な段階。そんなデータに飛びつかざるを得ないほど自民党は都市部で追い込まれている。

SNSは荒れるとよく言われる。今回のJapan News Naviのアカウント凍結騒ぎについてQuoraに投稿した。この時に「ああこれは荒れるかもな」と感じたがコメント欄にさほどの反発はなかった。

Quoraのスペースは早くからトランプ支持者問題を扱ってきた。「トランプ支持者はバカだ」と言う指摘がコアのサポーターだけでなくうっすらと政治に不満を持っていた人たちを惹きつけた過程をすべて見ているので「特定政党の支持者をバカと決めつけること」がいかに危険なのかがよくわかっている。

結果的に参政党支持者がコメントを書いたとしても大人の対応が多い。反発がないと議論は続かないので結果的に大きな騒ぎにならないのだ。

SNSでも政治議論は可能であり適切に管理すれば荒れることはない。最も重要なのは何気ないコメントも反論せず一言二言返すことなのではないかと感じている。SNSは相手の反応があって初めて面白いと感じられるものだが荒れるSNSにはこうしたやり取りがない。情報発信に夢中な人が多く「聞き手」が不足している。

これはマズローで説明できる。承認と自己実現の違いだ。

今のSNSは承認を求める人が多いが誰かを承認してやる人は少ない。マズローの理論に従えば「聞き手」の動機は自己実現だからなのかもしれない。つまり日本の政治言論は自己実現段階に到達する人が少ない社会と言えるのかもしれない。

おそらくSNSの穏健化に必要なのは聞き手の存在だが、政治家も有権者たちもとにかく自分が話したいと夢中になっており他人の話に興味を持つ人は多くない。