トランプ大統領の支持者たちが司法長官を激しく攻撃しているという。
「エプスタインファイル」というものの存在について揉めているらしいのだが、一体何を揉めているのかがわからない。そもそも「エプスタインファイルとはなにか?」がわからなかった。エプスタインファイルは少女の性的売買の記録で顧客リストが含まれているとされていた。イーロン・マスク氏がリストにトランプ大統領が入っていたと主張し注目が集まっていたようだ。
連日トランプ大統領と関税についてお伝えしている。その中でトランプ政権の発言は当てにならず考えもまとまっていないと書くことがある。アメリカの事情を知らない人は「何もそこまで決めつけなくても」と感じるのではないか。
そもそもエプスタインファイルとはなにか。
産経新聞に記事があった。エプスタイン氏は少女らへの性的虐待で起訴され獄死した。産経新聞の記事では「自殺した」と断定的に書かれているが、裁判での証言を恐れて何者かに消されたと言う陰謀論がある。
トランプ候補(当時)はクリントン大統領が顧客リストに含まれていたため消されたと仄めかして民主党の候補者たちから批判されていた。
このように問題になっているのは顧客リストだった。つまり過去に少女らに対する性的虐待に関与した人たちのリストということになる。イーロン・マスク氏が「トランプ大統領がエプスタインリストに含まれている!」と指摘して問題になった。CNNによる表現は次の通り。
大きな爆弾を落とす時が来た。@realDonaldTrumpはエプスタイン文書に名を連ねている。文書が一般公開されていない真の理由はそれだ。良い1日を、DJT!
今回の司法省の発表は「エプスタイン氏は自殺であって、顧客リストは存在しなかった」というものだった。最初にこの情報を掴んだのはアメリカの政局とホワイトハウスの内部事情に詳しいAxiosだった。
ところがこの発表にトランプ大統領の支持者たちが憤っているという。ABCニュースの記事を読むと顧客リストなどなかったという発表を疑っているようだ。
パム・ボンディ司法長官はかねてより顧客リストは自分の机にあるが多くの少女のビデオが含まれているため発表に時間がかかると主張していた。ところが今回の発表では「そもそもそんなファイルはなかった」と言っている。つまり発言が変わっている。
これについて聞かれたリービット報道官は「ボンディ長官はいかなる顧客リストについても言及したことはない」ととぼけてみせたそうである。
一連の記事を読んでもトランプ大統領の支持者が何を怒っているのかがよくわからない。二重基準について怒っているようなので「司法長官がエプスタイン氏をかばっている」ことと「不自然な死を隠蔽しようとしている」ことに怒ってるようである。支持者たちの間にエプスタイン氏は消されたに違いないという陰謀論に染まっている人たちが多いようだ。
普通に考えると
- トランプ大統領が顧客リストに掲載されていたために、司法省はその証拠を消し去ることが出来なかったのだろう
と思う。つまりトランプ大統領も関与していたということだ。
トランプ大統領は自分が関与していたことをさとられないように「クリントンが関与していた!」との風評を振りまいていた可能性がある。
しかし、支持者たちは大統領がエプスタインリストに載っているとは全く信じておらず、なにか他の理由で隠蔽を働いたと信じ込んでいるのかもしれない。つまりパム・ボンディ長官が何らかの理由でクリントン大統領ら民主党のエスタブリッシュメントを庇うためにファイルを亡き者にしたと信じているのかもしれない。
