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石破総理・総裁が2万円給付の公約化を指示

8〜12分

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経済政策に決め手がなく関税交渉も行き詰まりを見せている。政権にしがみつくために国民のお金を配るしかない石破総理は2万円給付を公約に盛り込むように自民党幹部に「指示」を出した。

ただ経緯を見ると恥ずかしさもあったのだろうなと感じる。自民党総理総裁としての最も大きな仕事はこの恥に耐えて政権にしがみつくことなのだろう。

6月11日に行われた党首討論で給付について聞かれ、石破総理は「党の方で検討しているが自分は何も知らない」と逃げていた。玉木雄一郎代表が「選挙目当てのバラマキだろう」と指摘すると「侮辱するな」と気色ばんでいたのが印象的だ。

一応恥という観念ははあるのだなと感じた。

そもそも石破総理の説明を真に受ける人は誰もいない。事実13日には「党に対して2万円給付を公約に盛り込むように」指示を出している。単に党首討論を迂回するために逃げていただけなのだ。

本来なら石破総理の対応には一貫性がないと批判が高まっても良さそうなのだが、国民も呆れ果てており特に石破総理を批判する声は上がっていない。

総理大臣は2040年までに給料を1.5倍に引き上げるという方針を出しているがこれもほとんどメディアの注目を集めていない。楽しい日本が活力を生み出すというコメントに至ってはもう覚えている人もいないだろう。

経済の専門家は労働力が不足し社会保障の担い手が欠落してゆく2030年問題・2040年問題に現実的な対処をすべきだと訴えている。バブル崩壊以降の政治は風に流されるだけでなんら主導的役割を果たしていないのだから当然今後もそうだろうと考えているのだ。

例によって例のごとく。

関税交渉も行き詰まっている。もともとアメリカ合衆国は日本との関税交渉どころではない。議会交渉があり、国内では政治内戦レベルの混乱が続く。中国との貿易交渉は長期化が予想されている。

レアアースというカードを持っている中国は余裕の構え。協議体を作って交渉を継続する枠組みを着々と構築中だ。しかし日本にはカードも長期的視点もない。

米国債という強いカードは持っているが日本としてはニコニコ顔を保つことでなんとか特別扱いしてもらえないだろうかとへつらって見せるのが唯一の戦略だ。

おそらく、日本国民は石破政権が実行的な枠組みを提示できるとは感じていない。今まで通りの社会保障を継続するためには政権枠組みを変えられないのではないかと感じる人が多いのではないかと思う。また最初からアメリカ合衆国と対等に話し合えるなどと期待している人もいないだろう。ここはアメリカを刺激せずに「どうか我々を特別扱いしてください」とニコニコと働きかけるしかない。

森山幹事長はむしろこれを「災害対処のために今は政権交代している場合ではない」と政治利用したい考えのようだ。関税交渉はやってみなければわからないと言っているが実際には何もしていない。

ただこのメッセージはおそらく自民党支持者を中心にある程度の指示を獲得するのではないかと思う。現状維持バイアスが極めて強い国民性があるからだ。

アメリカに防衛を依存する日本と韓国では「トランプ政権の政策」に疑念を持っている人は増えているそうだが、トランプ大統領は強い大統領だとみなす傾向があるそうだ。ピューリサーチの調査をAxiosが紹介している。

調査によると日本人はトランプ大統領意政策を疑問視する人が多いが、依然としてトランプ大統領は強い大統領だと見なしたがっている。ただしAxiosが「強いリーダーと見なす傾向がある」とするほど顕著な傾向は見られず、戸惑いつつも否定もしきれないといったところのようである。

中間層の崩壊とアメリカの地位の低下に起因する弱さが強権的な手法につながっていると考えてしまうと我が国の安全保障の根幹が揺らぐことになる。とはいえ今までアメリカ合衆国に対して持っていたのとは全く違う印象のニュースも多い。

自民党の政策に期待を寄せない人が多い割には政権を変えて現状打破を目指そうという人は多くない。眼の前の現実を受け入れるよりも不都合に目を瞑り今までの状態の継続を目指したいと言う人が多いことがうかがえる。迷いのある中で様々な情報を集めれば集めるほど暗い森の中に迷い込んでゆくと行ったところなのではないか。

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