マスコミは連日のように小泉コメ大臣の活躍ぶりを報道している。一方で石破総理の国会での発言は余り注目されていない。実は国民にさらなる負担を求めている。
消費税問題とコメ問題には共通点がある。少ない恩恵を眼の前にちらつかせて長期的な負担を正当化すると言う手法だ。
しかし変化を嫌う国民はむしろ石破総理に騙されたがっている。国民が進んで騙されたいのだとすればこちらとしても反対する理由はない。どうぞ騙されてくださいとしか言えない。
マスコミは連日小泉コメ大臣の活躍ぶりを伝える。最近もあるコメ卸の利益が500%も増えたと発言した。暴利を貪っているという印象が付く。JCASTがこのコメ卸に取材している。確かにこれは事実だそうだ。コメの安売り競争に疲弊していたこの卸の利益率は1%だったそうだがこれが5%に上がったという。確かに5倍になっておりパーセントで表示すると500%になる。
モノはいいようだ。
コメの価格は5キログラムで37円下がった。先週は25円下がっていたので合計で62円「も」下がったことになる。
一方で注目されないニュースもある。森山幹事長は小泉農水大臣を支えるバーターとして国費を含む2.5兆円(5年間)の資金投下を小泉大臣にお願いしている。
森山幹事長の要請を受けた石破総理は国会で次のように発言した。
石破茂首相は9日の参院決算委員会で、コメ価格安定に向けた施策を図るため、国民にも負担を求める考えを示し、理解を求めた。「値段が下がると全国民の利益になる。大切なものはただではない」と述べた。安定供給への施策として、農地の大規模化やスマート技術の導入など生産性向上を図る農家への支援や、所得補償を例に挙げた。
首相、コメ価格安定へ国民負担を 大規模化、生産性向上を支援
これは次のような意味だ。
今までのように安い価格ではコメは手に入らない。コメの価格を安定させたいならコメを食わない国民も含めてもっと国に差し出すべきだ。
しかし、おそらくはそう読み取れない人がほとんどなのだろうし小泉大臣の報道に夢中でこうした発言があったと気が付かない人が殆どかもしれない。
しかし、石破総理がお願いをしている以上は「国民に隠れて悪巧みをしている」ということにはならない。現状維持を強く望む国民がそう願っているのだとしたら、こちらとしては何も言えない。民主主義国家の日本では人は信じたいものを信じる自由がある。進んで騙されたいとしたらそれは有権者の意思だ。
どうぞ騙されてくださいとしか言いようがない。
メディアでは農協の「前払金」が値上がりしたと報じている。つまりコメの価格は期待通りに下がらないことが予想される。TBSによればそれでも非農協の「前払金」に負けているそうで農協にコメが集まらないことも予想されるのだそうだ。
TBSの世論調査によると今回の小泉コメ劇場で石破政権の支持率は下げ止まったという。しかし、この政策でブランド米の価格が下がるだろうと予想する人はそれほど多くないようである。おそらく人々は「自民党を支持する理由」を探しているのだろう。