今回、国内の政治記事をまとめていて自民党の行き詰まりはわかりやすいが野党のほうが病状は深刻だと感じた。おそらく、戦後日本を支えてきた交易条件の変化を敏感に感じ取っており「いま政権を渡されても困る」と身構えているのかもしれない。
維新と国民民主党の意思はあからさまだと感じたがとりあえず経過観察しようと思って一日おいてみた。分析はさほど変わらなかった。
維新も国民民主党も自民党と立憲民主党を戦わせておいて最後に有利な陣営に馳せ参じたい。つまり関ヶ原の戦いにおける日和見勢力になっている。形勢が見えたところで勝ちそうな陣営で「やあやあ」と名乗りを上げて戦功をあげようとしているのだ。
玉木雄一郎代表は先の衆議院選挙ではネット選挙で躍進した。しかし須藤元気氏や山尾志桜里氏の擁立により支持率は低下している。このため立憲民主党との協議は打ち切らずとはいえ支援の約束もしないという曖昧戦略を掲げ参議院選を生き残りたい考えである。
ここまでを見ると「維新も国民民主党もなんてズルい政党なんだ」と感じる。だが話はここで終わらない。
時事通信は次のように書いている。党利党略しか考えない立憲民主党の枝野幸男氏がわざわざ「国益」という大げさなフレーズを持ち出し「今はみんなのことを考えて不信任案は出さないのですよ」と言っている。
一方、立民の枝野幸男元代表は不信任案提出に慎重な姿勢を示した。「わが党のことだけを考えたら当然出すべきだ」と述べつつ、「国益を考えたらプラスにはならない。野田佳彦代表も同じ考えではないか」と述べた。宮崎市で記者団の質問に答えた。
玉木国民代表、立民と協議して判断 不信任案の共同提出(時事通信)
民主党の3年間はリーマンショックの後始末に終止した。その上に東日本大震災まで天から降ってきたため、後に悪夢の3年間などと言われている。おそらく立憲民主党は今後の難局を予想していて「いま政権を押し付けられても困る」と考えているのだろう。
自民党についてのエントリーでは「自民党はこれからも無党派層から搾り取り続けるために20000円程度のお小遣いをばらまこうとしている」と書いた。これをひどい話だ考える人もいるかも知れないが政権維持をかけて必死に考えてもこの程度のことしか頭に浮かばないほど日本経済が追い詰められていることを意味しているに過ぎない。
そして、野党に至っては「いま政権を押し付けられても困る」と責任の押し付け合いが始まっている。
つまり政治家の情けなさの先には「みんなで一生懸命考えても全く出口が見えてこない」という一種の閉塞感が漂っているのである。国民も所得の向上など望めないと考えておりどこかの政党を積極的に支援することはない。国全体に薄っすらとした諦めムードが漂っており、安いコメを求めて行列ができる。
ここまで見てきたのは日本の構造上の問題なのだが、この上にグローバル経済の行き詰まりという全く別の問題が生じつつある。
今アメリカで地震が起きている状況だが、これが日本に到達するまでにはまだしばらく時間がかかりそうである。ただマスコミは国内と海外の政治は別物であると考えておりこの2つは結びついていない。