8,900人と考え議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

ヘグセス国防長官がウクライナ支援会議を欠席した。また戦後のウクライナ防空についても協力を拒否したという。エマニュエル・トッド氏は「アメリカはすでにロシアに敗戦しており独特のニヒリズムが広がっている」と指摘する。否定したいとは思うのだが否定できない材料が積み上がる。

エマニュエル・トッド氏はヨーロッパからの視点として「アメリカはすでにロシアに敗戦しており独特のニヒリズムが社会を覆っている」としている。日本人の感覚からすればかなり極端な見方なので否定したいとは思うのだが、どうもそうならない。

アメリカニヒリズムの特徴は徹底的な命の軽視と極端な拝金主義だ。この一つの現われがアーンスト上院議員の発言だった。国家の援助があろうがなかろうが人はみんな死ぬというのだ。

ヘグセス国防長官がウクライナ(他人)への支援を拒んでいるのもその現れであろう。ウクライナを経済的利益を搾り取る相手としてしか見ていない。会合に出ない言い訳も極めて雑なもので「移動時間の都合がつかない」というものだった。アメリカからなにか引き出したいならお前らがホワイトハウスに土産を持って来いということなのだろう。

トランプ政権はイスラエルを支援している。そのイスラエルは北部に空白地帯を作るために食糧援助を武器化しているとされている。わずかばかりの食料支援を行い南部に人が押し寄せると3日連続で人々を撃ち殺している。

当初イスラエルは射撃を否定していたがついに隠しきれなくなり「威嚇射撃をした」ところまでは認めたが、そもそも援助が全く足りていない。極限状態までお腹をすかせた人たちが暴徒化したとて何らおかしいことではないが、イスラエルもその背景にいるトランプ政権も「ガザの人々を人として見ていないのではないか」という気がする。

人はどこまでも残忍になれるものだ。

確かに目についた似たような事例を並べているだけなのかもしれないが、命を軽視するニヒリズムは今やアメリカの新しいイデオロギーとなりつつあるのかもしれないと感じる。

他人の権利を軽視し自分の利益を絶対化するというやり方だ。

これを見て「とはいえ日本でも自己責任論が蔓延している」と感じた。つまり、日本もアメリカも本質的には違わないのではないかという気がする。

アメリカと日本の一番の違いは「自分の権利主張」だろう。アメリカ人(の一部)は他人の利益を軽視し自分の利益を極大化する傾向があるが、日本人(の一部)は自分たちの権利主張にも消極的でその反動として他人の足を引っ張ろうとする。

アメリカのように「自分たちの権利を極大化して主張する」というイデオロギーの行く末はおそらく万人闘争だろう。その意味ではアメリカ合衆国もある意味ではガザ化しているのかもしれない。

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Comments

“アメリカに蔓延するニヒリズム ヘグセス国防長官がウクライナ支援会合を欠席” への2件のフィードバック

  1. 匿名を希望のアバター
    匿名を希望

     大まかにいえば言えばニヒリズムだとは思われますが、個人的にはそれだけ
    では収まってない気はします。ダーク・トライアドやダーク・テトラッドと
    呼ばれる複数の要素を持ち合わせてるものの方が的確な様な気はします。
     ナルシシズム、マキャベリアニズム、サイコパシーが基本で更にサディズム
    が加わるとされるものですが、これならあの人達の傾向や気質が全部収まります。
     いずれにせよありとあらゆる力とされるものを一切持たせてはいけない存在
    である事には間違いありません。それぐらい欲望と願望と本能に正直な人達で
    すから。

    1. 結構異常な状態ですからいろんな病名をつけたくなっちゃいますよね。