オランダで連立政権があっけなく崩壊した。移民政策を巡って極右自由党が連立政権を離脱したためだ。総選挙が前倒しになると言われている。
オランダでは2023年11月に選挙が行われ自由党が躍進した。しかしウィルダース党首に対する各党の拒絶反応が強く連立交渉がまとまらなかった。結果的に2024年7月になってショーフ(一部ではスホーフと表現されている)氏を首班とする内閣が作られた。ショーフ氏は選挙に出ておらず(つまり議員ではない)無所属の首相だ。議員でない人を首班にしてバランスを取らざるを得なかったのだ。
今回のBBCの記事を見ても「概ねウィルダース党首の要求に沿った移民対策であり不満はないはず」だなどと書かれており政権崩壊は晴天の霹靂だったようである。事前に政権が崩壊する予兆はなかったようだが数ヶ月に及ぶ政権を巡る様々な駆け引きは一瞬で崩壊してしまった。
いずれにせよ、オランダでは総選挙が前倒しされる可能性が出てきたとのことだが、選挙をやったからと行って自由党が単独で政権を担えるほど躍進することはないのではないかと思う。根幹にある経済の不満を解消しない限り、オランダの政治情勢は引き続き不安定な状況が続きそうだ。