Quoraにクリスティ・ノーム国土安全保障長官のお騒がせを指摘する記事が投稿されていたので詳細を調べてみることにした。
偽の証拠に飛びついてSNS発信をしてしまったという話題のようだ。フェイクニュースを政府が作っているのも問題だがCNNは未成熟なノーム長官が本当にアメリカを危機から守れるのかと問題視している。
ラモン・モラレス・レイエスという不法移民がトランプ大統領を殺そうとしたというニュースがクリスティ・ノーム国土安全保障長官のSNS投稿がきっかけにして大きく広がった。
やはり中南米からの移民は危険だという印象がつく。
ところがCNNがこれはフェイクニュースであると報道し状況が逆転した。
ラモン・モラレス・レイエス容疑者は暴行事件の被害者として証言台に立とうとしていた。これを恐れる何者かが手紙を書き捜査当局に密告したようである。手紙の筆跡とレイエス容疑者の筆跡が合致せず「偽の証拠」である可能性が高まった。
直感的には「ああまたか」という気がする。
トランプ候補はハイチ系移民はペットを襲って食べると根拠の曖昧な主張をして物議を醸した。ケネディ保健福祉長官はありもしない論文を引用する勧告を行ったとされている。またトランプ大統領は南アフリカでは白人虐殺が行われていると主張していたがそのエビデンスも全く関係がない引用だったことがわかっている。
ノーム長官の問題行動もこのあやふやな引用の最新事例に過ぎない。
しかしながら、CNNが問題視しているのはそれだけではないようだ。第一に「トランプ大統領殺害容疑」を賭けられた人の人権が守られない。ノーム長官は人権に配慮せず一方的な主張をそのままSNSで展開してしまった。
しかし、現在のアメリカ合衆国では「他者の人権」はそれほど重要視されない。文化戦争が激化し、誰もが自己主張に忙しい。
ブラックライブズマター運動を受けて攻撃対象になっていた白人たちは「自分たちこそ被害者である」と証明したがっている。主張を逆転することで黒人やヒスパニック排斥を正当化したい強い欲求がある。Axiosはこうした動きは今に始まったものではないとしている。
躍起になって「白人こそが被害者である」と証明したがっているアメリカ合衆国の極右にとってみれば、今回のトランプ大統領が不法移民に狙われていると言うエビセンスは格好の攻撃材料だ。まさに千載一遇のチャンスとも言えるだろう。
しかしながらCNNが心配しているのはそれだけではないようだ。
確かに、国土安全保障の責任者が事件調査のイロハもわからず自分の偏見に満ちた主観を正当化するような「エビデンス」を軽率に公開してしまったことから、現在のトランプ政権を操作するのは極めて簡単だと言うことを示していると言ってよいだろう。
今回のケースは単に裁判で不利になることを恐れた人がしでかした可能性も高いわけだが、実際に国家転覆を狙うような人が「ノーム氏に撒き餌」をする可能性も否定できないということになる。ノーム長官がフェイクニュースに飛びついている間に別のプロットを進めることができる。
つまりこんな人が国土安全の責任者でも良いのだろうか?とCNNは問題視しているのではないか。

Comments
“クリスティ・ノーム長官の軽率な行動が物議” への2件のフィードバック
この人達を懐柔して従わせちゃうのは簡単でしょうね。もう既にトランプ
大統領自体がプーチン大統領に懐柔されてる所があるぐらいですから、他の
人達ならもっと簡単でしょう。価値観を全肯定してあげる等自己愛を満たし
てやって更に共感を示してあげれば心は完全に掴めると思いますよ。それぐ
らいありのままの自分を無条件で全肯定されたがってるでしょうから。それ
だけ欲望と願望に正直ですよこの人達は。勿論他の家父長主義的な保守の人
達も同様かと思われます。
トランプ大統領はかなり迷い始めており「もう知らない!」みたいな気分になっているようですね。対マスク・対プーチンでそれを感じます。自己愛の慰撫が聞くのはその場その場であって余り永続性はない気がするんですよね。そもそもが自己防衛のための補償なので。