尹錫悦大統領失職に伴って韓国では6月3日に大統領選挙が行われる。李在明氏の無罪判決は最高裁判所に棄却され疑いは晴らされないまま。ここは与党「国民の力」が有利かと思われたのだが候補の統一に失敗し与党の代表が辞任する騒ぎになっている。
韓国の保守は朴槿恵大統領弾劾で崩壊しその後再集結した。このため与党でなくなることに対する恐怖心が強い。一度は金文洙前雇用労働相を候補として選んだ。
ところが李在明候補の無罪判決取り消しを受けた韓悳洙氏が大統領代行職を辞任し立候補したことで事態が一変する。国民の力は金氏の後任を取り消した。
金氏はこの判断にひどく憤り「法的措置も辞さない」と息巻いていた。
ところが国民の力の党員たちはこの決定に納得せず党員投票で執行部の判断を否決してしまう。国民の力は金文洙前雇用労働相を再び公認候補に戻した。
結果的に党代表が辞任を示唆する騒ぎになっている。
与党執行部の責任論も出ている。与党トップの権寧世非常対策委員長は「競争力のある候補を立てようとした決断だったが、手続きの混乱によりご心配をお掛けした」と記者団に語り、党員と国民に謝罪。「一本化を成し遂げられず、本当に残念だが、全ての責任を取って私が退く」と辞任を示唆した。
金氏が与党公認候補に復活 交代方針否決、混乱で李氏に有利に―韓国大統領選（時事通信）
大統領選挙まで一ヶ月を切る中で国民の力は混乱状態にある。その混乱を示すのがある当所属議員の会派離脱だ。寄らば大樹ということなのだろう。イデオロギーの異なる候補者とそれぞれ面会し「勝てそうな方を選ぶ」と言っている。
その上で、「機会があれば、李在明（イ・ジェミョン）候補＝共に民主党＝や李俊錫（イ・ジュンソク）候補＝改革新党＝といった大統領選候補の方々と会い、懸案解決と国の方向性について悩みを共に分かち合いたい」と語った。
尹錫悦弾劾賛成の国民の力・金相旭議員が離党「李在明・李俊錫両候補と悩みを分かち合いたい」（朝鮮日報）