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西田昌司氏の格好悪い「謝罪」と情けない政府を頂く保守のジレンマ

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西田昌司参議院議員が「ひめゆりの塔」発言を謝罪した。ただし「現在の展示は見ていないので発言の撤回はしない」とも主張しており「謝罪」とは程遠い内容だ。周囲からのプレッシャーで発言を変えてしまうのならそもそも最初から発言しなければいいのにとは思う。

だが同時に今の情けない政府のもとではこれも致し方ないのかなあという気がした。日本の領土主権を完全に維持できていない以上、保守は「弱いものいじめ」をしてうさを晴らすしかない。

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西田昌司参議院議員の発言は日本の保守の典型的な発言といえる。なんとなく自分達の立場に不安と劣等感を感じている。これを払拭するためにあえて居丈高な口調で弱いものを攻撃する。今回は沖縄に対して「悪の日本軍がアメリカを解放したとは何事か!」と主張した。

おそらく西田氏はさまざまな方面からのプレッシャーを受けたのだろう。

当初は発言を撤回しないとしていたが態度を変え一応の「謝罪」を口にした。しかし発言内容を見ると「リニューアルされてからひめゆりの塔を訪問していないので発言は撤回しない」とも言っている。

そもそも沖縄の現状に興味がなく学ぶつもりもないのだろう。

ただ自称保守と言われる人たちが「学ばない」ことを責め立てるつもりはないし、責め立てたとしても何も問題は解決しない。そもそも「感情」が先に立っている議論だからだ。

対処するしないは個人の自由だが、対話するにしても「所詮この程度の人たち」との前提をおくしかない。

しかし、保守の人たちの鬱屈した気持ちもよくわかる。

先頃中国海警局が尖閣諸島を侵犯した。当初日本は侵犯事件だけを伝えていたがのちに中国側が「日本の保守反動勢力が魚釣島を侵犯した」と主張し、実際に飛行が行われていることがわかった。

尖閣諸島・魚釣島についてはさまざまな議論があると承知している。しかし日本政府が尖閣諸島を我が国の領土と主張するのであれば域内の国民を守る憲法上の義務が生じる。

では政府はこの問題にどう対処したか。

この運航者に対して政府から「飛行の安全性を考慮すべきだ」と伝えたと説明した。

民間機が尖閣遊覧飛行 政府、「安全性考慮」要請(時事通信)

仮にこの「安全配慮」が飛行機を事前に点検してくださいという意味であれば問題はない。しかしおそらく「尖閣諸島は一応日本の領土ということになっていますが、日本政府は安全が保証できないですよ」と言っている。

憲法上の義務が果たせていないのだから大問題だが時事通信も他のメディアもそれを指摘しなかった。

「大国である中国が本気になれば尖閣諸島は守れないだろう」という気持ちがあるのだろう。

アメリカ合衆国のトランプ大統領も日米同盟の片務性を口にして日本政府に妥協を迫っているが、日本政府は「どうかアメリカが日米同盟について何も言ってきませんように」とひたすら頭を低くしてかわそうとしている。日本人の多数派は「日米同盟が最も安上がりで面倒が少ない」と考える人ではないか。

このような情けない状況で保守の人たちが取れる選択はそれほど多くない。自分よりも弱いものを見つけて叩き、都合が悪くなったら曖昧に謝るしかないのだ。

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Comments

“西田昌司氏の格好悪い「謝罪」と情けない政府を頂く保守のジレンマ” への2件のフィードバック

  1. 匿名を希望のアバター
    匿名を希望

    この手の人達は虐めが娯楽で手っ取り早い問題解決の方法になってるでしょう
    からそう簡単には止められないでしょうね。序列意識にどっぷりと漬かってて
    それが当然の社会や世界に完全に適応しきってるから尚更でしょう。
    自分が優遇されないありのままの自分が肯定されない弱者の身に落ちてしまう
    不安が付きまとってたりするのがこう言う考えや行動に現れるんだろうなとは
    思います。だから力こそ全て!!になってしまうんだろうと。

    1. 個人的なイデオロギーよりも「経済問題が解決できない」ことで落とされてしまうような気がするんですよね。