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バランスをとった新教皇 レオ14世はアメリカ出身の改革派

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先ほどバチカンで白い煙が上がりプレボスト枢機卿が新教皇に選出された。プレボスト枢機卿はレオ14世を名乗る。保守と改革派のどちらが教皇になるのかに注目が集まっていた。トランプ大統領は保守派の教皇を望んでいるとされたが選出されたのは教皇フランシスコに近い改革派だった。しかしながらプレボスト枢機卿はアメリカ合衆国出身でありバチカンが政治的なバランスをとったと考えられる。

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プレボスト枢機卿はアメリカ合衆国イリノイ州出身。フランシスコ教皇と共にペルーでの布教に従事し2015年にペルーの市民権を取得したと各紙が伝えている。また、フランシスコ教皇のもとで司教省長官を務めたことからフランシスコ改革路線が継承されたものと考えられる。

一方でカトリックの保守回帰を望む政治的指導者も多い。トランプ大統領は自身が教皇になりたいと表明し「それが叶わないのならニューヨーク大司教が教皇になるべきだ」と意見表明をしている。

結果的に、改革派の象徴になりそうなフィリピンのダグレ枢機卿ではなく、アメリカ人のプレボスト枢機卿が新しい教皇に決まった。事前予測の中にプレボスト枢機卿を挙げる媒体はなかったABCは直前になって注目が集まっていたとしている。

長く在位したヨハネ・パウロ2世が2015年に亡くなって以来さまざまなスキャンダルに見舞われたバチカンでは2013年にベネディクト16世が生前退位している。「保守派の神学者」との評価だったが就任当時78歳であり「バチリークス」「マネーロンダリングスキャンダル」などバチカンの動揺を抑えることはできなかった。退位後に教皇になったフランシスコは新世界アルゼンチン・イエズス会の出身で大胆な教皇庁改革を行ってきた。

ヨーロッパやアメリカのキリスト教徒が減少しカトリック教会は急速に「新世界化」が進んでいる。一方でヨーロッパやアメリカのキリスト教徒の間には強い保守回帰欲求があり、新教皇はバランスをとった教皇庁運営の手腕が問われることになる。

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