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急進力の落ちた石破総理に強い消費税減税圧力

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自民党議員69人が森山幹事長に対して「国債の発行を前提にした消費税減税」を求めている。公明党も消費税減税が間に合わなければ給付で対応すべきだと強く迫っており石破総理には強い消費税減税圧力がかかっている。

石破総理も焦燥感を強めており「米の価格安定のために党としても何らかの対策を打ち出すべきだ」と小野寺政調会長を呼び出した。

経済への打開策が打ち出せない中、西田昌司氏のように保守派の支持に期待する議員も出始めており、青山繁晴議員などは「政府が主導して戦争総括を行うべきではないと牽制している。支持者の関心が生活に向かう中で保守派の離反を気にしているのだろう。

石破総理が人物を特定できる形で闇献金疑惑まで浮上した。石破総理は全面否定しているが「誰が彼を後ろから刺そうとしているか」の見当はついているのではないか。

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日本経済はデフレ(厳密には低成長経済)からインフレ経済に転換したが、自民党政権は新しい現実にうまく適応できていないようだ。焦りを募らせる自民党の議員からはさまざまな提案が出ている。

まず69名の議員が森山幹事長に対して消費税減税を求める訴えを起こした。森山幹事長は税制調査会で議論するとしている。成長へのきっかけが見つからない中で議員たちは財源については議論せず「当面は赤字国債で乗り切るべきだ」としている。公明党も減税と当面の給付を求めており石破政権には強い減税圧力がかかる。

提言は、物価高対策として消費税の軽減税率を現行の8%から恒久的にゼロにするよう要求。「国民の可処分所得を増やし生活を支援することを最優先とすべきだ」と訴えた。税収の不足分を5兆円と見積もり、当面は国債発行で賄うとした。

自民69人、消費税減税に賛同 積極財政派、森山幹事長へ提言(共同通信)

以前お伝えしたように西田昌司氏はひめゆりの塔の「自虐史観」について主張を変えるつもりはないようだ。また青山繁晴議員も政府に対して「戦争の総括をしないように」訴えている。積極的な保守の囲い込みを図っているというよりは、これ以上保守派に離反されては困るということなのかもしれない。

強い保守反動が出ると「これは自民党の総意ではない」と切り離しを図る人も出てくる。こうなると保守派の人たちは却って石破執行部に反発と落胆を覚えるかもしれない。

自民の小渕優子沖縄振興調査会長は党本部で開いた調査会会合で「沖縄県の皆さんの心を傷つけてしまった事実は変えられない。大変残念な発言だ」と指摘。「われわれの認識とは全く違う一議員の発言だ」と述べ、西田氏に対し、改めてひめゆりの塔を訪れ、沖縄戦や沖縄の現状について理解を深めるよう求めた。

野党、西田氏発言を批判 ひめゆり「訂正、謝罪を」(時事通信)

野党はこのまま石破総理での選挙を望むのだろうが自民党の中からは「石破総理では戦えない」という声が挙がっているものと考えられる。石破総理に対する内部告発とも言える文春砲もその一環ではないか。石破総理は誰が自分を裏切ったかがわかっているはずだ。

米価対策の不調は思っていた以上に深刻なようだ。

石破総理は小野寺政調会長を呼び出し「自民党で政策をまとめるべきだ」と要請した。時事通信の記事だけを読むとこの「対策」が何なのかわからない。

本来は自民党で要望を集め政府に対して要請するという形を取る。このため時事通信の報道を素直に読むと「政府としては引き続き米加対策をやるから、米価が回復するまでに何ができるかを考えてくれ」という意味合いであると解釈できる。

そもそもマスメディアが石破政権の動向を伝えることが少なくなっており、田崎史郎氏がかろうじて政権の声を伝えている。田崎史郎氏の証言は極めて深刻だ。おそらく石破総理が農林水産省と江藤農水大臣をきちんと掌握できていないとわかる。

コメ価格の高騰が続く理由を田崎氏は「明らかに農林水産省の失敗なんです」と断じた。さらに「石破(茂)さんも農林水産省にものすごい怒っていて、それで昨日、自民党の小野寺(五典)政調会長を呼んで、コメの値段下げるように党の方で考えてくれ、と。で、農水省に言ってもなかなかやらないんです。備蓄米の放出も実は、官邸がやらせたんです。農水省が自主的にやったんじゃないんです」と解説した。

「明らかに農林水産省の失敗」…高騰続く「コメ」価格に「サン!シャイン」田崎史郎氏が断「石破さんもものすごい怒っている」(スポーツ報知)

ここから推察すると「総合力」で対策をまとめる必要がある対米関税交渉も思うようにはまとまらないだろう。農林水産省のように「表向きは協力姿勢を見せるが実際には何もしない」という形のサボタージュを行う省庁は多いのではないか。アメリア化の圧力に負けて既得権益を明け渡すような官僚はそう多くないだろう。

普通、「石破おろし」というと党内で意見がまとまり「石破総理のままでは選挙が戦えない」という声が上がるのが普通だ。しかし党内にそのような積極的な声は聞かれず、どちらかといえば「協力しない」方向で静かな離反が進んでいる。

あくまでもブログやQuoraで意見を聞いた限りの話ではあるが、有権者も間にも積極的な石破おろしの兆候は見られない。「もう政治に興味はない」「自民党には期待ができない」と静かな離反が始まっているような印象があるがあくまでも他人事だという人が多い。

物価高騰によって国民生活は疲弊しているのかもしれないが、日本政治には独特の突き放した静かさがある。

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