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インド・パキスタン情勢が緊迫化

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中東に続いてインド・パキスタン情勢が緊迫化している。ところがQuoraで意見を聞いてみると意外と冷静な声が多い。CNNは「危険度は高まっている」としているがBloombergは両者とも自制心を保っていると分析し意見が分かれている。

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インドがパキスタンを攻撃し両国政府が批判合戦を繰り広げている。CNNは状況を分析しつつ「インド・パキスタン情勢は再び緊迫している」としているのだが、Bloombergは「過去の事例をなぞるもの」であり両国とも抑制姿勢を保っているとの識者の声を紹介している。

しかしBloombergの分析を受け入れても「自制するくらいなら最初から何もしなければいいのに」という気がする。

Quoraでは「バイデン政権下ではパキスタンが騒ぎを起こすとアメリカの目が向いた」ので「今度もアメリカの気をひこうとしているのだろう」と指摘する人がいた。また別の人はパキスタンでは弾薬が足りていないので全面戦争を仕掛けても勝ち目はないだろうとしている。

話を総合すると「いざこざを引き起こせばそれなりに注目が集まった」という過去の成功事例が動機になっていることになる。

ところが、トランプ大統領はむしろ自分が騒ぎを引き起こして世界中からディールを引き寄せようとする政治家であり、インド・パキスタン情勢にさほど関心を向けるとは思えない。「早く終わればいいね」との雑駁な感想しか伝わってきていない。

トランプ大統領は「中東歴訪を前に大きな発表をする」としている。カナダの首相がいる前で発言し、首相も「I’m on the edge of my seat」と応じているそうだ。これは「身を乗り出して座っている」という意味でスポーツ観戦などで興奮しつつ状況を見守る時に使われる。注目を集めることが大好きなトランプ大統領はおそらくこの発言に非常に気をよくしたことだろう。トランプ大統領は外国指導者との会合でも臆面なく「自分だけに注目が集まること」を期待するほど自己愛が強い。

ところがトランプ大統領が自分のプロジェクトに夢中になればなるほど「トランプ大統領の気持ちを惹きつけたい人たち」が増える。すでにイスラエルはガザ地区に対して非常に野心的な計画を発表している。

つまりパキスタンがアメリカ合衆国の「気持ちを引きつけよう」としていると考えると、トランプ大統領が振り向くような重大な何かをしでかさなければならないということになり、やはり「予定調和的な小競り合いで終わるのだろうか」という気持ちになる。

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