参議院選挙を目前にした石破総理に文春砲が当たった。3000万円献金を収支報告書に記載していなかった疑いが持たれている。告発者は下根正宏氏。「下の名前は仮名」ということなので石破事務所はこの人が誰であるか特定できているはずだ。元支援者が今になって告発に回ったのはなぜなのだろうと感じた。
少数与党に転落した自民党。不調の背景にあるのが経済運営の失敗だ。日本経済は長年のデフレ(厳密には低成長状態)からインフレに移行したが、自民党は現状認識に失敗し賃上げ実感のない物価上昇が始まった。さらに対米関係でもトランプ政権が仕掛けてきた関税に対処できていない。
日米同盟で安定した通商環境の恩恵を国民に分配するのが自民党の存在理由だがこの前提が大きく揺らいでいる。
野党は石破総理のもとでの選挙を希望しているが、自民党の参議院改選組には焦りが募っているのではないかと思う。別のエントリーでまとめるが「保守」が石破総理の戦後80周年の総括に激しく反発しており、談話が閣議決定できない状況に追い込まれている。
つまり、野党よりも身内のほうに石破総理をおろしたい人が多いものと考えられる。
メディアはあくまでも「政治とカネの問題」を野党が追求という伝え方をするのだろう。しかし一般国民が個人を特定できない状態で「下根家の人」が石破総理に不利な証言を行った意味は意外と大きいのかもしれない。文春によると父親と共に石破氏を支援しており2008年に自民党総裁選に初出馬した際、随行係を務めたという石破氏に極めて近い人物である。
石破事務所はおそらくこの人がなぜ支援をやめてしまったのか、今も「政治」とどう結びついているのかを知っているはずだ。つまり誰が彼に反旗を翻したのかが「なんとなく」わかっているのではないかと感じる。