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ゴールデンドームが作りたい! トランプ大統領が防衛予算増額要求

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トランプ大統領が自身初となる予算案を発表した。従来防衛費は削減されるものと見られていたが13%増額要求となった。中にはゴールデンドームのようなSF的なプロジェクトも含まれている。一方でその他の予算は22.6%の予算減となる。民主党的な政策が狙い撃ちになっており、議会承認は難航しそうだ。

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当初、ヘグセス国防長官は「毎年国防費を8%ずつカットする」と表明していた。しかし蓋を開けてみると防衛費は13%あまりの増額になっている。国境防衛とゴールデンドーム(アメリカ合衆国を他国からのミサイル攻撃から守る)が含まれた「立てこもり型」のプランである。トランプ政権は「面倒な同盟関係に依存しなくてもアメリカをミサイル防衛から守れればそれでいいではないか」と理解しているのではないか。おそらくトランプ大統領は同盟よりイスラエルのようなミサイル防衛システムの方が合理的と感じているはずである。またナショナルセキュリティのチームは人事的崩壊状態にあり、まともなアドバイスができるスタッフもいない。

一方でその他の予算は22.6%の削減となる。

最新ニュースではトランプ大統領の誕生日に合わせた250周年軍事パレードも計画されているという。おそらく多額の費用が必要になるはずだ。

民主党的な政策が狙い撃ちになっているが、ABCによればスーザン・コリンズ上院歳出委員会委員長や上院歳出委員会国防小委員会ミッチ・マコーネル上院議員も予算に異議を唱えておりいる。コリンズ氏は「最終的に決定権を持つのは議会である」としており、マコーネル氏は同盟関係を柱とした外交・安全保障計画の転換に懸念を示しているようだ。

ABCニュースは上院共和党重鎮の発言を多く取り上げている。現在トランプ政権は関税政策を先に走らせている。これは物価高と景気後退をもたらすために、大規模減税を通じた景気刺激が必要になる。微妙なバランス調整を間違えるとアメリカ合衆国の景気は急減速し税収の落ち込みなどにより支払いが滞るXデイの到来が早まる可能性がある。

ジョンソン下院議長は「6月にXデイが来てもいいように準備を進める」と言っているが、共和党幹部は8月ごろにまとまればいいのではないかとしていた。

ジョンソン下院議長は下院議員をまとめるために「大規模な予算削減を行う」と約束している。仮にこの約束が守られなければ自分を解任してもらっても構わないと約束したともされている。

ところが蓋を開けてみると防衛費の大幅増額が含まれており、なおかつゴールデンドームのようにSF的な構想も含まれていた。

下院議員たちは本当に大規模な予算削減など行えるのか?と疑問を感じることとなりジョンソン下院議長も頭を抱えているのではないかと思う。

と同時に加藤財務大臣の「国債云々」という発言がアメリカで一人歩きしかねない事情がよくお分かりいただけると思う。

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