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アメリカ合衆国がマイナス成長を記録

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アメリカ合衆国のGDPが発表され、年率換算で0.3%マイナス成長になった。誤差の範囲と考えれば「ほぼ成長しない状態」に事態が悪化したことになる。マイナス成長は2022年以来とのこと。トランプ大統領就任直後には考えられなかったことだが、原因はトランプ大統領の不確実な経済成長にあるものと考えられる。

大統領自身は就任後100日インタビューなどで自身の政策を自画自賛しており、トランプ政権の閣僚も大統領の暴走を止められずにいる。株価下落もバイデン相場という認識。大統領が今の事態をどの程度深刻に受け止めているのかは未知数。

次のイベントは債務上限に達するXデーだ。ベッセント財務長官は7月4日以降になると考えているようだが、ジョンソン下院議長は6月にもXデーが訪れる可能性があるとしている。

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トランプ大統領は就任100日目にあたり演説を行い、各社からのインタビューも受けた。思い込みに彩られた混乱したロジックと間違った数字の引用が多数見られるうえに、現在の混乱はすぐに収まるしそもそも混乱など起きていないと矛盾した発言を繰り返している。

トランプ大統領がもたらす不確実性のためアメリカ経済は急減速している。ドルの価値は毀損していたが、1-3月期のGDPマイナス0.3%(年率換算)という発表で、株式市場は一時700ドル値下がりしたそうだ。

ただしABCニュースは「トランプ大統領の一貫しない政策発表の影響を受けているだけ」であり、アメリカ経済そのものの減速を示しているわけではない」と説明している。駆け込み輸入や物流の混乱が起きているため統計数字を見ても今後それが継続するかはよくわかっていない。

トランプ大統領支持者はそもそも格差の拡大に苛立っていた。格差拡大を縮小するためには持っている人のものを奪う・ぶちこわすか低い地位にある人たちの底上げをするしかない。底上げをするよりもぶち壊す方が簡単なのだから、現在のトランプ大統領の政策は実は支持者たちの望んだ結果になっている。

実はその意味ではトランプ大統領の政策は確実な成果を出しているとも考えられるのだ。

ただし制度の混乱は「持っている人の財産をぶち壊す」だけでは終わらないかもしれない。

現在、議会は大規模減税と債務上限の拡大を狙っている。Axiosがジョンソン下院議長にインタビューしている。この中でジョンソン議長は「関税問題が行き過ぎれば議会も対策をとるだろうが、少なくともその前にトランプ大統領に電話をする」と言っている。

GDPの急ブレーキから既に関税問題がアメリカの経済に大きな影響を与えているのは間違いがない。税収に急ブレーキがかかり金利が上がるとアメリカ合衆国の資金がショートすることになる。

ベッセント財務長官はこの問題を7月4日の独立記念日までに解決したいと考えているようだが、ジョンソン下院議長は6月中にもXデーが来るかもしれないと考えているようだ。なお別の記事によるとジョンソン下院議長は5月中の下院通貨を目指すものの、共和党幹部たちは8月までに法案が仕上がればいいと考えているようだ。つまり期限通りに5月に下院を通過したとしても彼らの期待通りに減税と債務上限延長が実現する見通しは立っていない。

アメリカ合衆国は過去何度も連邦政府閉鎖問題で危機に直面しているため「今度もきっと誰かがなんとかしてくれるのではないか」と考える人が多いのだろうが、幸運が何度も続く保証はない。

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