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中国はイランを密かに支援していたのか 港湾爆発で続報

8〜12分

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前回、イランの港湾爆発で「アメリカ合衆国とイランの対立は激化するかもしれない」と書いた。しかし、実際にはイランからアメリカ合衆国やイスラエルを非難する声明は発信されていない。「イランは抑制的に対応しているのではないか」と考えたのだが、どうもそうではないようだ。

ABCニュースが「今回爆発した積荷は中国からの燃料用化学薬品ではないか」と書いている。イラン軍は否定しているそうだ。

Private security firm Ambrey says the port received missile fuel chemical in March. It was part of a shipment of ammonium perchlorate from China by two vessels to Iran, first reported in January by the Financial Times. The chemical used to make solid propellant for rockets was going to be used to replenish Iran’s missile stocks, which had been depleted by its direct attacks on Israel during the war with Hamas in the Gaza Strip.

Fire extinguished at Iran port rocked by explosion as death toll rises to at least 65(ABC News)

仮にこれが事実だったとすると、イランが「軍事物資が狙われた」と主張した時点で「いったいそれは誰が提供したんだ?」ということになり、中国に迷惑がかかってしまうということになる。と同時に中国は中国でイランをプロキシーに立ててイスラエルとアメリカ合衆国を攻撃していることになるだろう。

最新の情報では爆発の死者は70名になった。ロシアが消化支援に入っているという。またイラン当局はサイバー攻撃があったと表明したが共同通信の記事には「どこからの攻撃か」は書かれていない。

外交政策で行き詰まるトランプ大統領は対イラン核開発合意を急いでおり軍事的な圧力をイエメンにかけている。直近の攻撃ではイエメンで68名が亡くなっている。

ロシアはクルスク州の奪還に成功した。そこで北朝鮮が「ピンチにあったロシアを救ったのは我が国である」と表明して見せた。ウクライナの戦争において「北朝鮮は戦勝国である」というわけだ。これは結果的に帝国主義の野心を持つ西側に対する勝利であるという図式になっている。

同委員会は、ウクライナ軍は昨年8月以降、劣勢を挽回するため、西側勢力の支援を受けてロシア軍に猛攻を加えていたと指摘。「兄弟国」とするロシアへの主権侵害で、ロ朝両国の軍と国民の団結に対する重大な挑戦だと見なしたという。

北朝鮮、戦闘参加を初公表 ロシア支援で金正恩氏が決定(共同通信)

これまで参戦を否定してきたのは国際社会からの批判を避けるためでなく「北朝鮮が参戦したからには絶対に勝利しなければならない」と示すためだったことになる。独裁者の考えることはよくわからない。

トランプ大統領は和平交渉が行われているにもかかわらずプーチン大統領が攻撃をやめないことに苛立ちを募らせていたが、対独戦勝記念日を祝うためにロシアが一方的に停戦を宣言した。主導権はロシアが持っておりアメリカ合衆国は従うより他に選択肢がないと示す狙いがあるのだろう。ホワイトハウスは「恒久停戦を望んでいる」との声明を発表するのがやっとだった。

従前より見られたアメリカ合衆国の国際的地位の低下に加え、トランプ大統領の一貫性のない外交戦略の影響が徐々に出始めており各地に混乱が広がっている。既に主要国は「援助」の形で1つの戦争に参加していて、それぞれの戦争は弱いリンクで結ばれている。

中国はおそらくアメリカ合衆国のフィリピンに対するコミットメントが弱まると考えているのだろう。南シナ海にある小さな島(BBCによると砂州だそうだが)を占拠し中国国旗を掲げて見せたそうだ。

本来ならば一つひとつを抜き出して伝えるべきニュースだが「ざっくりひとつ」にまとめて伝えざるを得ない。第二次世界大戦前の日本人はこんな気持ちで毎日新聞を見ていたのかもしれないなどとぼんやりと考えた。

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