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トランプ大統領を殺害するにのに両親が邪魔だった少年と謎の「九角教団」

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ABCニュースに「トランプ大統領を殺害するのに両親が邪魔だった」と考えた少年の話が出てくる。記事によると「ヒトラーに賛同するThe Order of Nine Angles」の影響を受けているという。The 9thではないので、Angleは角度ではなく「角」という意味のようだ。9つの角の秩序ということになる。

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トランプ大統領は白人至上主義者の期待を集めて大統領になったという印象があった。このため白人至上主義者がトランプ大統領を殺害するという理屈がよくわからない。あるいは「トランプ大統領が大統領になればすぐさま黒人などがアメリカから消えてなくなるかもしれない」という期待があったのかなあなどと感じる。

しかし主張の過激さを一旦受け入れたとしても、その目的のために両親(厳密には母親と義父)の殺害が必要だという理屈はいよいよ受け入れ難い。いずれにせよ、このウィスコンシン州在住の17歳の少年(実名も報道されている)はすでに両親殺害の容疑がかけられているのだという。

ネットの悪い噂に拐かされて危険思想を持つということまではまあないことではないかという気はするが、実際に両親を殺したとなると「全然話は別だなあ」という気がする。

CNNとABCは「ネオナチを信奉する個人の集まり」というような書き方をしているため、最近現れた陰謀論めいた何かなのだろうと考えた。だがThe Order of Nine Anglesで検索するとWikipediaとBBCの記事が見つかった。

Wikipediaによると1960年代から1970年代にイギリスで生まれた悪魔主義的な思想のようだ。誰が創始者なのかは謎に包まれているそうだが体系的な悪魔崇拝の思想がある。本来あるべきユダヤ教・キリスト教の思想は何者かに歪められているという教義が中心になっており組織ではなく個人の行動により社会に騒乱をもたらし新世界秩序を再構築するのが目的なのだそうだ。

BBCが2020年に「Order of Nine Angles: What is this obscure Nazi Satanist group?」という記事を書き「知られざるナチ悪魔主義」として紹介していた。記事は去年(つまり2019年)に16歳のイギリス人少年がテロの疑いで有罪判決を受けていたと書いている。

こうした思想や目的遂行のために家族を殺し財産を奪うことなど「狂っている」としか思えないのだが、トランプ政権の毎日の情報発信に同じくらい狂っているものが多い。そこが抜けた社会というのは案外こういうものなのかもしれないなあと感じる。

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