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政治がわからない 予定調和国会の裏で起きていること

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自民党・立憲民主党の間で合意が成立し年度内の予算成立がほぼ決まった。このエントリーでは「国会の与野党対決」のプロレスぶりを説明する。しかしその外では国会プロレスが理解できなくなった人たちが苛立ちの声を上げている。消費税についてのYahooニュースの記事に多数のコメントが付いているのを見かけた。

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海外での企業の儲けを政治家が分配するのが日本政治の基本構造だった。バブルが崩壊しその政治は機能不全を起こしていたが経済が成長しなかったため矛盾が表に出てきていなかった。ところが再び経済が成長を始めたため様々な再分配問題が再燃している。

現在の政党にはシンクタンク機能がなく政治家はエビデンスをもとにした意思決定ができない。このため与野党ともに政策立案どころか問題分析もできないありさまだ。つまり、自民党は国民全体を満足させることはできず、立憲民主党、維新、国民民主党も代替提案はできないという状態。

政府に対してあからさまな直接抗議や再分配要求をしたがらないという国民性もあるため代わりに「政治とカネ」の問題が語られる。政治家の心構えがなっていないと政府を批判するのだ。屈折している分だけ強い懲罰効果が働く。

いたずらに複雑な状況があるため、野党は自民党から距離を起きつつ本音では予算を成立させたいと思っている。これが予定調和的プロレス政治の背景にある構造だ。

ところがここに大きな誤算があった。石破内閣が思いの外ふらふらだったのだ。党内基盤は脆弱。本人は意志薄弱。さらに昭和的金銭感覚からも脱却できていない。政策の中身も意外と薄っぺらだった。このままでは本当に予算が成立せず政局が流動化しかねないという危機感が募ってゆく。

更に野党は囚人のジレンマも抱えている。協力したほうがトクだとはわかっているが裏切って短期的な利得を得たい政党がある。「ゆ党」と呼ばれる存在で、維新と国民民主党がそれに当たる。

慌てた立憲民主党は「安倍派の証人喚問で許してやる」ということにしたようだが、石破総理も森山幹事長もこれもまとめられない。結果的にすでに自民党の人でも参議院の人でもなくなっている世耕弘成氏を「人柱」にすることにした。共同通信によれば本人は承諾しておらず実際に出てくるかどうかは微妙な情勢。さらに出てきたとしても本人が「私が悪うございました」というはずもない。

安倍派の人たちは世耕弘成氏を差し出したと見られたくなかったのだろう。予算委員会の委員を外されたそうだ。このままでは賛成せざるを得なかったわけだから自民党なりの「温情」だったのだろうが、古い形の義理人情に縛られており何が正しいかに基づいて行動できなくなっていることがわかる。

万博を控えて政府の協力が必要なため維新も予算に反対するという選択肢はない。それでも前原誠司氏の発言は二転三転していたが、結果的に参議院で31日に大急ぎで予算を承認しその日のうちに衆議院で処理する方向で話がまとまり維新の賛成も取り付けた。

このように各政党とも「有権者からどのように見られるか」を非常に気にしているのだが、こうして報道を並べて「実はこういうことだったんですよ」と説明しないことには一体何の目的で誰が何をしているかわからないという人のほうが多いのではないかと思う。

国民は一体これをどう見ているのか。

立憲民主党の消費税減税提案に石破総理が「まずは研究してみたい」と答弁したというYahooニュースのコメントが多数付いていた。

  • どうせ選挙目当てに決まっている
  • その気になればもっと早くから研究できていただろう
  • やったとしても財務省が提案する複雑怪奇なごまかし案が出てくるだけ

というようなコメントが多数ついておりある意味見ごたえがある。

永田町の予定調和的なプロレスはすでにネット世代には理解不能なものになっている。基本的に「何が行われているのかわからない」という苛立ちがあり「何かごまかされているにちがいない」という疑念が育っているようだ。わかりにくさを背景にした苛立ちが次世代の陰謀論の温床になってゆくのだろうと感じる。既得権が自分たちを搾取しているという「実例」を提示されてしまうと一気に匿名世論が一つの方向に流れ出すことになるだろう。

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