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総理大臣の退陣は問題解決につながるか?

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当ブログやQuoraなどを読んでいる人に聞いてみたいことがある。問題解決志向の文章が読みたいのかあるいは腹落ちする文章が読みたいのか。

試しに「腹落ち型」の文章を書いてみたのだが意外と気持ちよく書けてびっくりした。なんとなく日本共産党などの激文のようにも見えるためかえって反発したくなる人も出てくるかもしれない。

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当ブログでは現在の政治膠着の原因の一つは「変化に対する恐れ・怒り・抵抗」にあると考えている。現状の医療福祉制度は維持したいが、経済の縮小によって自分たちの生活が不可逆的に変化するのも避けたい。かといって生産性向上のマインドセット転換もできないししたくない。

こうした極めて消極的な性向はすっかり国民意識に定着しており「行動する前にメリット・デメリットを考えてから出ないと動き出したくない」という極めて慎重で臆病な国民意識を生んでいる。

更に今回の問題では別の点も明らかになった。欧米型の倫理は「倫理をコード化=言語化」する点に特徴があり「何が良くて何がいけないのか」が説明される。しかしながら日本の倫理コードは「過去の経験的(したがって言語化されないため説明ができない)」の蓄積だ。これを法律に落とし込もうとするためのどうしても無理が生じるが、その無理は当事者たちには自覚されていない。

石破総理の記者会見に違和感と嫌悪感が生じるのはそのためだ。記者たちは経験的に蓄積された「信義」の問題を問うている。ところが石破総理は「コード=法律」の話をして誤魔化している。記者たちが本当に聞きたかったのは「一体総理大臣は誰の味方なんですか?」であり、石破総理はその疑念に答えることができなかった。この点だけを見ると「ああ、石破総理は終わったな」という気がする。

この政権はもたないだろう。

だが問題はその後に来る。仮に石破総理が退陣したとする。その後のリーダーたちは「石破総理の何が問題だったのか」を理解したうえでメッセージに落とさなければなければならない。そしてそれはかなり感覚的なものになるだろう。

ただ、我々が持っている「その」違和感は「経験的に蓄積されたムラ的な約束」違反に過ぎない。おそらく国民一人ひとりが違った理解をしているはずだ。

Quoraで対話をしてみるとわかるのだが日本人の感覚は意外と共通していない。だがそれが顕在化することはない。こと政治問題において誰も他人の話など聞いていない。だから話を擦り合わせる機会はなくしたがって違っていることにすら気が付かない。

ネットは直接対話型だ。このため直接対話を繰り返しても国民政党のようなものは誕生しないだろう。高度経済成長期の人たちは終戦という共通体験があったが現在の日本人には同様の体験はない。

だから最初に書いた「総理退陣論」にはこの「誰も説明できないだろうが」という言葉を混ぜ込んだ。

生活に対する漠然とした不安、俺だって10万円欲しいよという感覚を脇において「政治資金規正法」の問題だけを考えても問題は落とし所を失いつつあるようだ。

現在企業献金問題では自民案・公明/国民案・立憲/維新/共産/れいわ案が並立することになりそうだ。今回の石破総理の10万円商品券問題が政治と金の問題を刺激したことで立憲・維新・共産・れいわが結びついたようだ。

どれも言語的なコードに基づいたものではなく「自民党の手足を縛る懲罰的な」内容だ。各選挙区での対立を背景にしたムラ的な縛り合いになっている。また、どの勢力も過半数を持たないためにどの法案も成立しないものと見られている。つまり実現しないからこそそれぞれの勢力が好き勝手なことを言えるのだ。

我々は石破総理に対する怒りは共有できる。しかし選挙区を意識したムラの縛り合いである解決策には興味が持てない。なぜならば彼らは今回の騒ぎを党勢拡大に利用したいだけであって、それは国民生活にはなんの関わりもないことだからだ。

そもそも、トランプ関税対応ではなく「政治とカネの問題」ばかりがここまで大きく取り上げられるのは日本経済の先行きに誰も起死回生の解決策を出すことができないからだろう。だから石破総理のあとに来るリーダーが信任される見込みは立たない。

確かに退陣を求める文章は書いていて気持ちがいい。だが「本当にそれだけでいいのかな?」という気がする。

とはいえ問題を突き詰めてゆくと「国民の側も意識を変えてゆかなければならないのではないか?」という問題意識にたどり着く。そしてこの「変わる」ということに対する抵抗心は我々が考えている以上に受け手に大きな不快感を与えるようだ。

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