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ドゥテルテ前大統領が逮捕されハーグ送りに

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フィリピンのドゥテルテ前大統領が逮捕されハーグ送りになった。事前に「逮捕される準備はある」としておりアジア型の義侠心が感じられる。みんなのためにあえて泥をかぶるということだ。だがヨーロッパ型の法治主義・法の支配の原則のもとでは決して許されない行為でもある。

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ドゥテルテ大統領は少数民族出身で小さい頃は喧嘩に明け暮れていたそうだ。中国系の血も引いている。ドゥテルテ氏の政策のお陰でダバオは経済的には発展した。しかしそのためには超法規的手段を使ってギャングたちを抑える必要があった。ドゥテルテ氏自身も「超法規的な手段」を使ってギャングたちを鎮圧したなどと言っている。

ベトナムのハノイ特派員としてフィリピンを担当した2016年の秋から、私は就任直後のロドリゴ・ロア・ドゥテルテ氏(76)を追いかけた。いや振り回されたといった方がいい。一番の友好国である米国のバラク・オバマ大統領(当時)をののしって首脳会談をおじゃんにし、自らをヒトラーになぞらえ「麻薬中毒者を喜んで殺したい」と話す。そのたびに出稿に追われた。

「フィリピン麻薬戦争」死者6000人超、なぜ支持やまない「俺たちのドゥテルテ」(朝日新聞)

自身も政治的名家の生まれであるマルコス大統領はこのドゥテルテ氏の人気にあやかった。娘を副大統領候補にして選挙戦を戦っている。しかし大統領に就任すると外交路線で対立。ドゥテルテ家は中国系の血も入っており中国に親和的な路線を強調していたがマルコス氏はどちらかといえば親アメリカ的なのだそうだ。

結果的にマルコス大統領はICCからからドゥテルテ氏を守る必要がなくなり今回の身柄引き渡しに応じることを決めたようだ。

今後ドゥテルテ氏は「人道の罪」で裁判にかけられることになる。マルコス大統領が身柄引き渡しに応じるかは未知数だったようだが「無事に」ICCに引き渡されハーグに渡ることになった。

ドゥテルテ氏は直前に香港にわたっていた。ダバオ市長選の選挙キャンペーンだったそうだ。

フィリピンはこのまま経済成長が続けば上位中所得国入りが果たせるという所まで来ている。先進国クラブ入りに手が届く所まで来ているということになる。

しかし、それでもフィリピンには大きな産業がなく出稼ぎに頼っているのが現状で日本でも大統領選挙キャンペーンが目撃されているという。おそらく香港にも大勢のフィリピン人メイドがいるのだろう。彼女たちもまた有権者なのだ。

もちろん裁判なしに犯罪者をぶちのめすことなどあってはならない。かといってフィリピンが経済発展するために他にどんな手段があったのだろうか?という気もする。

あるいはドゥテルテ前大統領は自分の身を犠牲にしてフィリピンを救おうとしたのかもしれないがヨーロッパのスタンダードではやはりあってはならないことなのだ。

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